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「頼もしくなった」「また、夏がある」日本航空石川野球部 惜敗の甲子園で見えた次の道

「頼もしくなった」「また、夏がある」日本航空石川野球部 惜敗の甲子園で見えた次の道

日本航空石川センバツ出場秘話#2

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ライフ, 社会, スポーツ, 教育

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山梨のキャンパスで伝えた激励

 武さんたちの代は、年明け以降、高校生活の残りわずかの期間を、誰とも会えずに過ごした。

「連絡は取りあっていましたけど、みんなと再会できたのは、3月3日に山梨キャンパスで行われた卒業式でした。その間に選抜出場が決まった野球部の後輩たちとも、直接話すことができました。野球部は卒業式の後、事前合宿を行う徳島県に向かうことになっていたので、15分くらいでしたが、後輩たちには『甲子園、がんばって来いよ!』と伝えました」

 卒業していく野球部の先輩たちが特に気にかけていたのは、新3年生の投手・福森誠也くんだった。能登地区の七尾市出身の福森くんは、輪島市の祖母宅で被災した。能登から選抜出場するとして大きな期待のかかった航空石川の中で、ひと際注目を浴びていた。

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「先輩たちと久しぶりに会えて、たくさん声をかけてもらった福森は、涙を流していました」(同前)

被災した福森誠也くん ©️時事通信社

 武さんは4月から大学生になる。硬式野球からは卒業するというが、今夏、再び甲子園出場を目指す後輩たちを、この先も応援していく。

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