韓国プロ野球の今シーズンの開幕は3月23日。2018年以来6年ぶりにコーチに復帰した中村氏だったが、「(韓国の)新聞記者に聞かれることは大谷選手がどんな人物なのかということばかりで、自分のチームのことは全く聞かれないんです」と困惑するほどの大谷フィーバーが韓国でも起きていたという。
大谷への関心の高さは、韓国の現役選手たちも同じだった。開幕前の最終調整だったにもかかわらず、スマートフォンでネット配信されたメジャー開幕戦にかじりついていたという。
「スマホの画面を食い入るように見詰めて、大谷選手がスイングするたびに沸いていましたね。ヒットを打つと子どもみたいにはしゃいで、凡退すると『大谷がアウトになったぞ』と、まるで大谷選手がアウトになることがない選手であるかのように驚いていました。韓国ではダルビッシュ有投手(パドレス)の人気も高いのですが、対決とか試合の勝敗ではなく、とにかく大谷選手の打席に興味がある様子でした」
「韓国の選手は普通は日本の選手をライバル視するものですが…」
昨年12月にドジャースとプロスポーツ史上最高の10年総額7億ドル(約1050億円)で契約を結び、その存在感はまさに「世界の大谷」。
韓国でも知名度は抜群で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で韓国と対戦した際の大谷選手の礼儀正しい態度なども報じられ「プレーだけではなく、人間性にも敬意を抱いています」という状態なのだ。
開幕戦の前に大谷は、韓国での試合が岩手・花巻東高時代以来なことに触れ「好きな国の1つ」と答えている。
「韓国の選手は普通は日本の選手をライバル視するものなのですが、こと大谷選手に限っては、そういうことを超越しています。かつてイチロー選手に向けられた感情とは違うものがあります」