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「色気があってモテる人でした」

 生涯独身を貫いた志村だが、多くの女性と浮名を流してきた。芸能界でも共演した年下女優との噂は絶えず、いしのようこをはじめ、優香、みひろ、渡辺美奈代などとの交際が囁かれた。

 川上はそんな志村について「色気があってモテる人でした」と振り返る。

温泉や海外旅行を一緒に楽しむ遊び仲間でもあった志村さんと川上麻衣子(川上さん提供)

「同じマンションに住んでいる頃、志村さんはお付き合いしている女性を何人か私に紹介してくれました。けれども志村さんはやっぱり仕事が一番で、一人になりたい時に女性からぐいぐい来られてしまうと距離をおきたくなってしまう。その感覚をわかってくれる落ち着いた女性がいたらよかったんでしょうけど、志村さんはなんだかんだ若い人に振り回されるのが好きで(笑)。一方で、志村さんにも寂しがり屋なところがあって、ダチョウ俱楽部の上島竜兵くんや、千鳥の大悟さんなど、いつも側にいてほしいのだろうなと感じたこともありました」

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 1996年、志村は「芝居とコントの間のような番組を」と初めての深夜番組『志村X』に挑んだ。志村から直々に出演をオファーされ、同番組と後続番組『変なおじさんTV』で6年にわたり志村と夫婦役を演じた川上。撮影後はもちろんプライベートでも交流は続き、90年代後半には川上の生まれ故郷スウェーデンへ番組収録を兼ねた旅行をしたこともあった。

スウェーデンのロケにも一緒に出かけた(川上さん提供)

「収録を終えて打ち上げをして、さあ明日から観光という時に、付き人さんが志村さんのパスポートや現金の入ったカバンをタクシーに忘れてしまう事件がありました。それが金曜日の夜のことで、土日はタクシー会社が休みだったので、その間、志村さんは無一文に(笑)。師匠がお茶を買うにも『麻衣子さんすいません。お茶飲ましてください』と申し訳なさそうにしているのは、可笑しかったですね。けれども志村さんはその時、付き人さんのことを一言も怒らなかった。聞くと、『本人が一番ショックだろうから』って。その後、カバンは無事に出てきたのですが、今度はダイアル錠の数字がわからない。『師匠のことだから、女性の名前じゃない?』とみんなで言って思いつく女性の名前の数字を試したら、やっぱり開きました(笑)」