1ページ目から読む
2/4ページ目

 そもそも「ばかやろう」と言われてなぜ誰も暴言を問わないのか。小声すぎて聞こえなかったのか? では二階氏の会見だというのに、後ろにいる男性がほぼ答える不自然さをなぜ問わないのか。あれは誰にでもわかる違和感だったはず。

会見で二階氏の後ろにいた人物

 後ろにいた男性は林幹雄という幹事長代理を務めた人らしいが、二階氏の護衛のように控え、平気で口を出してくる。あの構図こそ「二階とは何か」を問う象徴的な場面だと思うのに、なんでみんな平気なの? 会見を見た視聴者(世の中)とのギャップがありすぎた。でもこういう感じが二階氏を読み解くポイントなのかもしれない。

©時事通信社

 思い出してほしい。二階氏が裏金で購入していたとする書籍が約3500万円という話題があったとき、最も支出額が多かった『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』とはどんな本なのか、当コラムで報告した。

ADVERTISEMENT

 それによれば二階氏が人心掌握に長けているといわれる極意は、

『義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)』

 略して“二階のGNP”と紹介していた。真面目に書いているから笑えるのだが、ここから読み取れることは何か?

『ナンバー2の美学 二階俊博の本心』(ブックマン社、2020年)

二階のGNPから見えてくるもの

 巨額のカネで書籍を買い取って配りまくるのも“二階のGNP”なのだ。見えてくるのは「内輪にはやさしく、仲間になると利益がある」ことだ。この構図は「二階の50億」にも共通する。公開義務がない政策活動費で、二階氏は幹事長時代に5年で50億円受け取っていた。そのカネを何に使っていたのか。政治とカネ、裏金問題そのものである。「仲間になると利益がある」は壮大な内輪の論理であり、政治家・二階俊博の本質なのではないか?