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「なにより日本社会に悪いですよね」
「僕たちの世代はグレる余裕なんかなかったよね。勉強しよう、働こうって必死だった。子供たちにもしっかり教育を受けさせて、オーストラリアやアメリカに留学させて」
でも、この10年、15年で「インネパ」が爆発的に増殖する中で、バグルンなどの地方からコックとしてやってきた「移民第2世代」の親、その「家族滞在」でつれられてきた「2世」の子供たち、ふたつの意味での「セカンド・ジェネレーション」に問題が出てきてしまっているとLさんは言う。
「子供もかわいそうだし、親もかわいそう。同じネパール人だからって悪く言われる私たちもかわいそう(笑)。それになにより、日本社会に悪いですよね」
「東京ブラザーズ」は「ただのガキの小競り合い」で済んだのかもしれないが、この先より過激な連中が現れる可能性もある。それを防ぐにはこの章の冒頭で東大のジョシさんが述べたように日本における適切な教育、そしてネパール本国での親世代も含めたエンパワーメントが必要なのだろうと思った。