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池袋でも新大久保でも西川口でもない…東京・青梅線エリアの“ナゾの外国人街”に「ガチすぎる外国料理店」が密集していた

拝島・福生・羽村の“ガチ異国飯屋”を巡る

2023/05/17

 外国人がつくった異国飯店が集う街というと、東京近郊で言えば大久保や新大久保、池袋、上野、それに埼玉の西川口が有名どころ。僕は東京の東に位置する小岩・新小岩エリアが好き。異国飯目当ての人がそこまで多くないから混雑せず、店内が広くてまったりした空気が店に流れていてたまらないのです。

東京で気軽に外国を体験できる3つの街

 そしてもうひとつ、東京で推しの異国飯エリアがあります。東京西部の青梅線エリア。もっというと、拝島(はいじま)とか福生(ふっさ)とか羽村(はむら)の周辺が異国飯店だらけでアツい。ベトナム・タイ・フィリピン・ネパール・ブラジル・ペルーの店が駅前に点々とあって、その魅力に惹かれて時々訪問しています。

 羽村市は東京都内の市としては最少の人口であり、福生市は2番目に少ない人口の街。行こうとしても都区部からは地味に遠くて時間もかかる。拝島(昭島市)は、東京の鉄道路線図が好きな方には、西武新宿線で見かける行き先だったり、西武線に加えて青梅線、八高線、五日市線の乗換駅としても知られています。

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 拝島や福生や羽村で降りたことのある人は、そうそういないと思うんですよ。でも日本語が通じる場所で、気軽に外国を体験できる場所として面白い。

福生のアツい異国飯街

ガチペルー料理屋でいろんなバリエーションの料理を楽しめる

 おすすめの異国飯店はどこかと言われたら、まず紹介したいのは羽村駅の近くにあるペルー料理屋の「ポヨリーコ」。オーナーのペルー人のおっかさんが、日系ペルー人や日系ブラジル人にとっての懐かしい味を、日系人が働いていた90年代から出し続けている老舗の店。日本語メニューだけでなく、壁にはスペイン語で書かれた手書きのメニューも。

 ひとたび椅子に腰をかければ、東京とは思えないゆっくりとした時間が流れ、おっかさんが客を焦らせることなくオーダーを待ってくれます。

羽村の老舗「ポヨリーコ」が作り続ける庶民的ペルー飯

 店の中には商店スペースもあり、時々お客さんがやってきては、店の人とスペイン語かポルトガル語かでやりとりしていました。

 日系ブラジル人ほど多くはないものの、日本には日系ペルー人もそれなりにいて、ガチペルー料理屋もそれなりにあるわけです。その中でも「ポヨリーコ」は日本のどのペルー料理屋でも食べられる定番料理「ロモサルタード(牛肉と野菜の炒め物)」「セビーチェ(魚介と野菜のマリネ)」のほか、いろんなバリエーションの料理があります。他の店と比べても、家庭料理が多いのが特徴。

 オーナー夫妻の優しさもあって、雰囲気のいい店です。今年は日本とペルーの外交関係樹立150周年で、ペルーのイベントもいろいろあるのだそう。その事前学習でふらりと寄って体感するのもよさそうです。奥多摩ハイキングの帰りにも、異国飯店を体感できます。是非是非。