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母が新興宗教にのめり込む

「母はじつは私が生まれる前に親族の勧めで新興宗教に入会していたのです。

 そして、私が病院から戻ってくる頃になると、親族以上に宗教活動にのめり込んでいきました。小さい頃は心の距離を感じることはありませんでした。まだ幼かったから、親を疑うような気持ちもなく、母がのめり込む宗教活動もごく日常のことで、私も一緒に地域の会合にも参加していたのです」

退院後も両脚にギプスをはめる生活 ©タイタン

 しかし、同居するようになった新しい「父」は、宗教にまったく関心を示さない人だったという。

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「何を信じるかは自分で選びたい」

「父は母の信仰を受け入れていたし、母が自分で稼いだお金を宗教団体へ寄付したり、お布施として納めたりすることにも口を出しませんでした。ただ、自分が特定の宗教を信仰することはありませんでした。

 宗教の勧誘に訪れる人たちを何度となく理詰めで追い返す父の姿を見て、『信頼できる人だ。私も同じように何を信じるかは自分で選びたい』と考えるようになりました」

 その後、光代氏は高校生ながら親と別居して暮らす道を選ぶ。光代氏の人生に大きく影響を与えた「宗教2世」として育てられた現実。その知られざるエピソードは、4月10日(水)発売の「文藝春秋」5月号で全10ページにわたり掲載されている(「文藝春秋 電子版」は4月9日公開)。

文藝春秋

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宗教二世に生まれて