麻生副総裁が推すのは河野太郎か上川陽子か
鈴木氏と言えば麻生派所属で、河野太郎デジタル相の側近議員として知られる。麻生副総裁は派閥メンバーの河野氏を、いつになっても総理候補として認めていないように見えるが、鈴木氏はこれをはっきりと否定した。
「麻生さんは河野さんをしっかり育てたいと思ってると思いますし、明確に総理総裁候補の1人だと頭の中にあると思いますね」
しかし麻生氏は今年1月、講演で上川陽子外相を「新しいスターが育ちつつある」と持ち上げ、ポスト岸田に上川氏を考えているのではないかとの憶測が流れている。しかし鈴木氏にとってこの発言に意外性はないという。
「昔から(麻生氏と)しっかり仕事してる女性政治家という話になると、必ず上川さんの名前が出てきていたんです。なので僕らは別に驚きません。着実にいろいろなことをやっている、堅実さへの評価だと思います」
一方、次期総裁選への河野氏の出馬について鈴木氏は、「本人もまだ明確に話していないと思いますが、何があってもいいようにとの思いは常にあると思う」と話し、意欲を持ち続けているとの認識を示した。
河野氏と中国、再エネとの関係
こうした中、河野大臣の下で再生可能エネルギーの規制見直しを検討する内閣府のタスクフォースで問題が発覚した。このタスクフォースのメンバーが提出した資料に、中国の国営電力会社のロゴマークの透かしが入っていたのだ。河野氏は「チェック体制の不備」としているが、党内の保守系議員からは再エネ政策への中国政府の影響を懸念する声も出ている。鈴木氏にこの問題を質すと、「この話はあまり詳しくない」としつつも、河野氏は決して親中派ではないと強調した。
「正直、河野さんと中国は結構距離が遠いんですよ。(父親の)河野洋平先生は親中色が強かったのは事実ですが、河野さんは完全に親米です。そこは貼られたレッテルだって気はします」
そして再生可能エネルギーの普及が、日本の安全保障上も大事だと訴えた。
「再エネって右(保守)の人の評判がやたらと悪いんですけど、これは私にとっては謎なんです。エネルギー安全保障を考えると、例えば台湾有事では化石燃料の輸入は完全に止まるんです。となると8割を化石燃料に頼っている時点で、日本経済は終わります。実は再エネをしっかり進めていくことが、エネルギーのレジリエンスを強くすることなんです」
当選5回を数えながらまだ47歳の鈴木氏。自民党で最も力を持つ政治家の一人となった麻生氏と、総理総裁を目指す河野氏の間を取り持ちながら、自らの目指す政治を実現して行けるのか。政治家としての鈴木氏の真価が問われるのは、まさにこれからだ。
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鈴木氏が出演した、文藝春秋ウェビナー「青山和弘の永田町未来café」は、「文藝春秋 電子版」で見ることができる。
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