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家賃を上げたいオーナーが増えている

「オーナーが家賃を決める際、築年数は重要な指標になりますが、家賃の増減には周囲の家賃相場や不動産価格の変動が深く関わっています。とくに近年は不動産の売買価格が上がり“不動産バブル”とも言われているため、その流れを受けて所有する物件の家賃も上げたい、と考えるオーナーも多い。

 実際に、私が管理している物件のオーナーからも値上げの相談が増えています。そのほか、オーナーが代替わりしたときに増額に踏み切る物件もありますね」

 反対に、不動産価格が下がったり、空室を出したくなかったりする場合は、家賃の据え置きや減額を検討するオーナーもいるそうだ。不動産価格が急落したリーマンショック前後は、家賃を減額する事例もあったという。

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「しかし現在は先述の通り、家賃の値上げがトレンド化しているので、減額するケースはほとんどないですね。とはいえ、突然1万円も増額はできないので、相場に合わせて月1000円、2000円など、少額ずつ値上げするのが通例です」

※写真はイメージです ©takasu/イメージマート

入居者からは見えない“分譲賃貸マンション”の家賃

 また、住んでいる物件が「分譲賃貸マンション」なのか「賃貸用マンション・アパート」なのか、その種類によっても家賃の値上げ事情は異なるという。前者の「分譲賃貸マンション」は、部屋ごとにオーナーが異なるため、値上げのタイミングはもちろん、その金額もバラバラとのこと。

「バラつきがあるのは、値上げ金額だけではありません。分譲賃貸マンションのオーナーは不動産業者と相談しつつ、初期費用や家賃を任意で決めているので、同じ階の同じ間取りで隣同士の部屋でも、家賃に1万円の差が生じている物件もザラにあります。入居者は、ほかの部屋の賃料もわからなければ、家賃の増減を知るのも不可能でしょうね」

 極端な例だが、ほかの部屋は家賃が減額されているのに、自分の部屋だけ家賃が増額されるなんて可能性もゼロではないのだ。

「もしも、住んでいるマンションやアパートの空室情報が不動産情報サイト上に掲載され、その家賃が自室よりもかなり安いことが判明したら、契約した不動産業者に相談してみてください。

 ただしほとんどの場合、オーナー側は『この部屋はフルリノベーションしているので家賃が高い』『クリーニングにお金をかけた』など、何かしらの理由を伝えてくるでしょう。あくまで“交渉の余地がある”という認識で話し合いに臨みましょう」