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“ナゾの歓楽エリア”三重県「売春島」のビジネスモデルとは?…伝説の女ヤクザ・西村まこ(57)が明かす

『「女ヤクザ」とよばれて』より #6

2024/04/14

genre : ライフ, 社会

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 私は「お前、このカネ、どうやって払うんや。あんたがうちに迷惑かけたカネや。お前が自分でケツ拭かんといかんやろ」とスゴんで脅し上げました。こうなってはレイコもまな板の上のコイです。ブルってしまって何も言えません。渡鹿野島行きを納得しました。

 岐阜を出る前に地元のヤクザのユウちゃんに電話し、「明日、女を連れていくから用意しといてくれい」と伝えました。翌日、事情を知った杉野組の部屋住み二人がついていきたいというので、ベンツの運転を任せることにしました。もちろん、女も後部座席に放り込みます。「おとなしくせんと、トランクやで」と脅すと、暴れたり逃げたりする気配はなく、おとなしく座っていました。

ヤクザ時代の西村さん。暴力団でのあだ名は「宝塚」(写真:本人提供)

 三重に着くと、ユウちゃんが渡鹿野島を仕切っている五十代くらいのヤクザ・東さんを紹介してくれました。東さんは、ごつい体つきで、筋金入りという感じの人です。この人が渡鹿野島を仕切っており、島の店の事情を表も裏もよく知っていましたので、前借が出る店に連絡を入れてもらいました。この段階になると、レイコは観念したようで、うつむいて黙り込んでいました。

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 島にはボロい漁船のような船で渡ります。島といっても、そんなに沖合にある島じゃないので、乗ったと思ったら、すぐに島の桟橋に着きます。東さんは「つたや」という店の女将には話を通していると言いますから、うちの若い衆とレイコを連れて、その店に向かいました。

提示した額は350万円

 売りの交渉は大金が絡みますから、人任せにはできません。そこは私が女将と客間で対面して金額の交渉をしました。その結果、私が最初に提示した金額、前借350万円で手を打つことになり、現金はその場でもらいました。そのカネを懐に入れ、レイコには「頑張れよ」とかなんとか、軽く声をかけて店をあとにしました。

 レイコを売るにあたって、お世話になった関係者に分け前を渡す仕事が残っています。島を出る前に電話し、東さんの事務所に立ち寄りました。東さんには40万円渡し、ユウちゃんと分けるように伝えます。

 ユウちゃんは「えっ、(分け前)半分じゃないの」とか、ぶつぶつ愚痴っていましたが、私は「あかん、あかん」と言って流しました。