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さらに、自分は他の子どもたちのように好感を持たれるのだろうか、頭がいいのだろうか、それとも何か問題があるのだろうか、といった疑問を持つようになることもあります。

「内向的」と「内気」は違う

内向的な子どもは「内気」と表現されることがありますが、実は内気と内向的であることは別物です。この2つが混同されるのは、どちらも集団行動に参加したがらない、他の子どもと一緒に遊ばないなど、似たような行動を示すからです。

しかし、低外向性の子どもは一人でいることが好きで少人数のグループを好むという点で、内気な子どもと大きく異なります。内気な子どもは、集団の一員になりたいけれども人づきあいに神経質(極端な場合は社交不安障害)になりがちです。

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内気な子どもは、外向性の尺度で言えばどの位置にもあてはまります。外向性が中程度から高度である場合、他の子どもと接することに神経質であるわりには他人と一緒にいたいという気持ちも強いため、孤独感にさいなまれることがあります。

一方、外向性の低い子どもは他の子どもとの交流に問題はなく、ただ単に交流しないことを選択しているだけなのです。

自分の子どもが外向性が低いのか内気なのか、そこを見極めるのは親であるあなた自身です。自分に問いかけてみてください。お子さんは一人でいるのが嫌な様子ですか。他の子どもたちと一緒にいたいけれど、不安で一緒にいられないのでしょうか。

もしどちらかの答えがイエスなら、あなたの子どもは内向的というよりむしろ内気で、社交性を高めることが重要なのかもしれません。

人見知りは(ほとんどのものがそうであるように)遺伝的な影響もありますが、それ自体はいわゆる気質的な特性ではなく、親がサポートすれば克服できるものであることは確かです。

ダニエル・ディック 心理学者、遺伝学研究者
ラトガース大学ロバートウッドジョンソン・メディカルスクール教授。インディアナ大学で心理学博士号を取得した後、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の研究資金を獲得しながら心理学と遺伝学の境界領域の研究を続け、数々の学術賞を受賞。TEDx Talks、TIMEはじめ大手メディアのインタビューなど、広く一般向けの講演活動も積極的に行なう。
竹内 薫(たけうち・かおる)
サイエンスライター
1960年、東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科(科学史・科学哲学専攻)、東京大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学理論専攻)。理学博士。大学院を修了後、サイエンスライターとして活動。物理学の解説書や科学評論を中心に100冊あまりの著作物を発刊。物理、数学、脳、宇宙など、幅広いジャンルで発信を続け、執筆だけでなく、テレビやラジオ、講演など精力的に活動している。