「歳をとっちゃえばどうせハゲるし、若いうちだけでもなんとかなっていれば別に良いか」
SNSの総フォロワー数は10万人を突破……! ウィッグとメイクによって、自身を美しく見せる動画で好評を集めるのが「ハゲメイクの人」こと西村健太さん(27歳)。この斬新な動画スタイルはいかにして生まれたのか? そして、若い頃はハゲでニキビだらけの自身の容姿に悩みを抱えていた西村さんが、それを払拭できた理由とは?(全2回の1回目/後編を読む)
男性なのに「メイク」を始めた理由
──今日は後ほどメイクしていただくために、すっぴんで来ていただいたのですが、いつも出かけるときはメイクをしているんですか?
西村健太さん(以下、西村) コンビニに行く、ぐらいなら全然このままです。友達と新宿に映画を見に行こうとか、お洋服を買いに行こうとなったら、メイクとウィッグをして出かける感じですね。
──メイクはいつ頃から始めたんですか?
西村 19歳ぐらいです。高校時代、ニキビの量がとんでもなくて。片頬100個ずつくらい、それこそ集合体恐怖症になるぐらいでした。卒業したら治まってきたんですけど、ニキビ跡があったり、肌の赤みも酷かったんです。皮膚科にも行ったんですけどそこまで良くならなくて。それで「ファンデーションをつけたらきれいに見えるのかな」と使ってみたのが最初ですね。
僕、すごく視力が悪くて、コンタクトだとマイナス3.5ぐらいなんですが、19歳ぐらいまで面倒くさくてコンタクトもメガネもしてなかったんです。ずっと裸眼でした。だから目が悪すぎて、そんなに自分の肌の状態がよくわからなかったんですよね。
──そうだったんですね。学校の授業とか生活に困らなかったんですか?
西村 前の席に座ればなんとかなってしまって。でも、19歳くらいで「そろそろまずいよな」とメガネを買ったら、顔が鮮明に見えるようになって「これはヤバいな」と。それでファンデーションや下地、コンシーラーとか、メイクについて調べることに傾倒していきました。
「ハゲメイク」誕生秘話
──高校卒業後すぐに動画クリエイターの活動を始めたんですか?
西村 一応大学には行ったんですけど、大学3年生ぐらいの時から、地元の友達とTikTokでBL風の動画を上げ始めたんです。そのアカウントが思いのほか伸びて、フォロワーも50万人くらいついてくれて。配信をしたらファンの方が見てくださる状態になりました。
それで大学をやめて、BL動画1本でやっていく期間が続いたんです。ただ、途中からTikTokの表現規制が強くなってきて、BL動画があげにくい状況になってしまって。何か他のことも始めてみようと、去年6月に今のメイク動画の投稿を始めました。
──それが薄毛の状態からメイクやウィッグで激変する「ハゲメイク」の動画ですよね。薄毛を前面に出した動画ですが、西村さんが薄毛を感じ始めたのはいつごろでしょうか。