西村 「へー」みたいな感じです。メイクやウィッグでよくなるんだったらそれで良いよね、みたいな。よかったときは「かっこいいじゃん」とかは言ってくれます。
父は以前、レディースのアパレルの会社を経営していて、外国人モデルさんに着せる大きめのサンプルも作っていたんです。会社内でサンプルを持ち帰る女性もいるんですが、そこまで身長高い方はあまりいないので、そういうのがだいたい僕に回ってきてたんですよ。それで、もらった服を自分なりにコーディネートしていたら、父とか母が「それ良いじゃん」みたいに言ってくれて。メイクやウィッグも、それと同じぐらいのノリだったと思います。
インスタでサブスクみたいなのをやってるんですが、それにおかんが加入してましたね(笑)。まじか、と思いました。
男のメイクをいじってくる人もいるけれど…
──素敵なご両親ですね。一部には、まだ男性がメイクすることに抵抗感がある人もいるのでは、と想像したのですが、批判的な意見はあまり浴びてこなかったんですね。
西村 そうですね。実は一時期キャバクラのボーイをしてたことがあって、そのときにもうメイクとウィッグはしていたんです。そのときも、お客さんからの受けが良いから「これウィッグなんですよ~」と時々外したりしてました。笑いになれば別に良いかな、みたいな感じで。
その時も「男が化粧をするなんて」とか説教じみたことを言うお客さんもそこまでいなくて、むしろいじってもらったり、覚えてもらえたり。自分からしゃべらなくてもネタでかわせるというか、楽だったなって。
──今西村さんの動画では、メイク前の自分を「ハゲブス」と呼ぶこともありますが、ご自身で抵抗はありませんか?
西村 全くないかもしれないですね。今僕は彼女はいないんですが、お付き合いの経験は一応あって、メイクしてウィッグをつければ、自分はモテないわけではない、というのが自分の中ではっきりしている。メイクしたら「ハゲブス」からは脱してるから、その前の状態がどうであっても良いよね、みたいな。この状態がなにを言われたところで、外に出るときの自分はこれじゃないから別に良いか、と。
──自分で自分を「ハゲブス」と言ったところで、自分の価値は変わらない、ということですよね。
西村 そうですね。メイクしていない状態の容姿の価値は、自分の中でプライオリティが高くないというか。この状態がどう評価されても、別に良いかなという感じです。