650万円の借金を返済するためにマニラのカジノへ向かい、クレジットカードのキャッシング枠を限界まで使い切ってバカラに挑む。100万円単位で所持金が乱高下する状況をXで実況中継し、最後はパスポートを地元のギャングに渡す寸前まで行った経験を持つ犬さん。

 リアルタイムで数百万円をいとも簡単に失う姿に多くの人が釘付けになる一方で、「そのうち東京湾か樹海で見つかりそうで怖い」「怖くて見てられない」と他人事ながら不安を感じる人も続出。それでも本人は自分のことを「ギリギリで踏みとどまるタイプ」と表現する。

マニラにあるカジノ。まさに「非日常」の世界 犬さん提供

 ギャンブルのどの瞬間が人間を最も興奮させるのか、そしてギャンブルで60億円の負債を作った水原一平氏についてどう思うのか。犬さんに話を聞いた。

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「今でもたまに思い出して後悔するんですよ」

――マニラでの「破産実況」から4年経ちましたが、いかがお過ごしですか。

 すごい普通ですよ。あの時の借金はまだ残ってるけど、その後も毎年カジノには行ってるし、仕事もしてます。別に何も変わってないです。ただ、今でも後悔してることが1個あるんですよね。

カジノの内部の様子

――後悔ですか。

 実は僕、実況してバズったギャンブル旅行の1年前に、同じマニラで1100万円負けてるんです。それが人生最大の負けで、どうせ見てもらうならその一番負けた時の姿を見て欲しかったなって、今でもたまに思い出して後悔するんですよ。

――負けたことではなくて、最大の負けを実況できなかったことが後悔。

 せっかく散るなら一番派手なところを見て欲しかったなって。だって、絶対おもろいじゃないですか。金融機関とか友達とか辞めた会社の社長から借りまくった650万円と、手持ちの450万円があっという間になくなって、それで滞在1カ月のうちの後半2週間は現地のホームレスの人と一緒に生活してたんで。でも負けすぎてスマホも売っちゃってたから実況できる状況じゃなくて。勝ちたかったっていうより、そっちの後悔が大きいですね。