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 要は比率だと思うんですよね。僕がギャンブルで一番興奮したのは、初めてバカラで140万円を一発で賭けた時でした。当時は年収300万円くらいで、なんとか貯めた30万円を持ってカジノに行って、負けて8000円まで減ったところから連勝して70万円。その全額をオールインで勝って140万円。それをさらにオールインしたんです。周りのギャラリーも「あの日本人やばいぞ」って大騒ぎで、140万勝負が当たった時はその場でおしっこを漏らしました。明らかに何か脳内物質が出てたと思います。

パンパンに膨らんだお財布。しかしこの時点でカジノを後にするのは難しいという

――その逆転は確かに何かが出そうです。ちなみにその日の最終結果は……。

 ピークは300万を超えてたんですが、カジノ出る時はもちろんゼロになってました(笑)。僕ギャンブル本当に弱いんですよ、負けるまでやっちゃうので。

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「犯罪に手を出したり友達を裏切ったり、借金を返さずに“飛ぶ”人も多い」

――マニラで抱えた650万円の借金が4年経っても残っているということでしたけど、自己破産とかは考えなかったんですか?

 もちろん考えたけど、またカジノに行きたいわけですよ。それで「自己破産してもう1回カジノ行ったら面白いのか」って考えたら僕的には微妙で。気持ちよく次のギャンブルをするには負けた分は払わないといけないし、借りたお金は返さないといけない、っていう感覚があるんです。まぁ実際は返済ペースも遅れてぐちゃぐちゃだけど、少なくとも自分なりには「返した」っていう筋を通したいんですよね。

カジノはお金を使うお客さんへの待遇が手厚く、宿泊が無料になったりすることもあるという

――興味深いです。その妙な義理堅さのような感覚を持っている人はギャンブルをする人に多いんですか?

 いや、たぶん僕は“外れ値”だと思いますね。限界まで借金して破綻すると、ほとんどの人はすぐ次の一線を超えてしまう。犯罪に手を出したり友達を裏切ったり、借金を返さずに“飛ぶ”人も多い。ただ僕は自分で言うのも変ですけど育ちが良いからか、その一線を超えたことがないんですよ。今も普通に会社員として働いてるし、仕事も嫌いじゃない。こういうタイプはそんなに多くない気がします。