「ボロ家ハラスメント」や「猫ネグレクト」の問題に揺れる缶詰製造大手のいなば食品。同社の稲葉敦央社長(70)が、2022年7月に行われた参議院選挙の際、勤務時間中の社員に自らが支援する候補者の手伝いを“強要”していたことが「週刊文春」の取材で分かった。
いなば食品の激震が収まらない。小誌は4月11日発売号で静岡県での勤務を予定していた一般職新入社員が相次いで入社拒否をしていたこと、4月18日発売号では、社長夫人・稲葉優子会長(54)による会社の私物化の実情や、焼鳥缶を製造する工場で保健所の許可なく操業していた「食品衛生法違反」の疑いを報じた。
創業家による社員の“私物化”に非難が殺到
第1弾の報道以来、「週刊文春」にはいなば食品の現役社員、元社員、関係者から様々な情報が寄せられている。
数々の証言から明らかになったのが、敦央社長ら創業家による社員の“私物化”だ。
それを象徴するエピソードが、冒頭で記した社員に対する選挙応援の“強要”である。2022年7月に行われた第26回参議院議員選挙に際し、敦央社長は当時立候補していた自民党の尾立源幸氏(60)を強く推していた。選挙の投票日が近づいた6月末には〈なぜおだち候補が必要か?〉という一文から始まる“推薦文”を社員に向けて一斉送信している。