小池百合子東京都知事のカイロ大学卒業をめぐる「学歴詐称疑惑」が再燃した。小池都知事は定例会見でも多くの質問を受け、回答する表情が印象的だったので詳細に分析してみた。
知事の元側近で、元「都民ファーストの会」事務総長の小島敏郎氏が、『文藝春秋』5月号で「私は学歴詐称工作に加担してしまった」と告白する手記を発表した。4月17日には、外国特派員協会で記者会見も開いている。小池氏の立候補が予想される都知事選を睨んでのことだろう。
小島氏が告発したのは、2020年6月9日に駐日エジプト大使館のフェイスブックで公開された「カイロ大学の声明」に関するいきさつだ。
カイロ大学卒業は虚偽だと書かれた『女帝 小池百合子』(著・石井妙子)がベストセラーになり、2度目の都知事選に暗雲が垂れ込めていた小池氏は、何度も卒業証書や卒業証明書を公開したと主張したが、その証書や証明書にも疑いが生じ、都議会で厳しい追及を受けていた。
その批判や追及を封じるために、小池氏がカイロ大学学長に働きかけて「卒業を証明する」という声明を出させた、というのが小島氏の告発の内容だ。
一瞬顔を上げ、ぎょっとした表情でぐっと顎を引いたが…
4月12日に行われた都知事の定例記者会見では、告発を受けて記者らがこの疑惑について質問を行った。
質疑応答の冒頭、東京新聞の記者が、この問題について質問を行った。手元の書面に目を落としたまま素っ気ない様子で質問を聞いていた小池氏だが、「カイロ大学が自発的に声明文を作成したことはほぼあり得ない。知事が声明文を自ら作成し、“疑惑を隠蔽しようとした”」と、「疑惑を隠蔽」という記者の言葉に一瞬顔を上げ、ぎょっとした表情でぐっと顎を引いたが、すぐに反応を押し殺した。
卒業の事実をどう証明するかについては、「そもそもが大前提が違うわけです」と余裕の表情を見せ、「どうやって証明するのか」「誰が証明するのか」と記者に質問で切り返し、回答はしなかった。