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 なんにしても、コスパの悪い取材は話し手の印象に残りません。むしろ悪い印象が残る可能性すらあります。

 いただいた時間で、どうよいパフォーマンスをするのかを、きちんと考えるようにしましょう。

 コスパ・タイパと言えば、オンライン取材についても思うところがあります。

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 コロナ禍を境に、オンライン取材が当たり前の時代になりました。

 昔はテレビ会議などというと、先進的な企業だけが導入していたイメージでしたが、今では誰でも使えるツールも増え、オンライン取材もだいぶ増えてきました。

 それこそ、コスパ・タイパの両面から考えれば、オンライン取材はパフォーマンスのよいものだと言えるでしょう。

 移動の手間が省けますし、その時間を事前準備に費やすこともできます。

 しかし、私がひとつ言いたいのは、対面取材にするかオンライン取材にするかについては、聞き手側からは提案すべきではないということです。

 オンライン取材は、聞き手側にとってはほぼ間違いなく、コスパ・タイパがよい手段でしょう。

安易に「オンライン取材」を提案するのは失礼

 では、取材対象者にとってはどうでしょうか?

 全員が全員、オンライン取材のほうが、コスパ・タイパがよいと考えるでしょうか?

 自分が取材を受ける側になったことを考えると、もちろんオンライン取材のほうが好都合なこともあります。

 しかし、対面のほうが話しやすいと思うこともあります。

 たとえば、写真撮影があったり取材で実物を見せたりする可能性を考えると、対面のほうがふさわしいと言えます。

 そういったときに、聞き手側からオンライン取材を前提として提案されると、若干、違和感を覚えるでしょう。

 対面がよいかオンラインがよいかは、取材対象者に決めてもらうべきです。

プロのライターは安易にオンラインインタビュアーを提案しない。 写真はイメージ ©getty

 遠方で、どうしても現地に行けない場合などは仕方ないかもしれません。

 しかし原則として、聞き手側が自分の都合でオンライン取材を提案するのは、じつは失礼なことだと思っています。

 これは本当によくある話なので、注意しておくといいでしょう。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。