なぜプロのインタビュアーは安易に「オンライン取材」を提案しないのか……? 取材相手に嫌われるインタビューの特徴を、ラーメンライターとして活躍する井手隊長による初の著書『できる人だけが知っている 「ここだけの話」を聞く技術』(秀和システム)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
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「すごくコスパが悪い聞き方だなぁ」と感じるとき
仕事柄、私が取材やインタビューを受ける機会もよくありますが、聞き手によっては「すごくコスパが悪い聞き方だなぁ」と感じることが結構あります。
近年「コスパ」や「タイパ」という言葉をよく聞きますが、今はパフォーマンスが重視される時代です。同じお金を掛けるなら少しでもよいものを、同じ時間を掛けるなら少しでも有意義にという考え方です。
私は取材にも、パフォーマンスというのはあると思っています。
同じ時間を掛けるなら、いろんな意味で“よい聞き方”を目指すべきではないでしょうか。
「いろんな意味で」というのは、パフォーマンスはいろんな視点で語れると思っているからです。
たとえば、次のような視点です。
・短い時間で終わる取材
・ほかの人が聞かないことを聞き出す取材
・取材対象者が「いつもよりおもしろかった」と感じる取材
・取材対象者が「受けてよかった」と感じる取材
・時間は平均的だが、中身の濃い取材
ほかにも、いろいろと考えられると思います。
自分が聞き手として、どこに向かいたいのかという明確な目標を持つことで、よりパフォーマンスの高い聞き手になっていけるのではないでしょうか。