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お金を借りるきっかけにされたイベント

 ホストクラブのイベントは、通常営業と違い、担当ホストのために入れ替わり立ち替わり推し客がくる。Sさんが座ったのは、30分程度だったという。

「座ると、大きな箱に入ったお酒が用意されていました。イベントだから飾りで置いてあるんだと思いました。ホストには、『顔を立ててくれてありがとう』と言われました」(Sさん)

イベントで用意されていたボトル

 彼女が個人的に貸した約400万円の意味に気づいたときは全てが遅かった。貸したお金がこれで消えたということを理解した。

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「店で使ったとかではなく個人間での貸し借りの話です」と送っても無視をされ、「もう別れたいって事だよね」と言ってくるだけだった。

ホストとのLINEのやりとり

なかなか関係を切ることができなかった

 Sさんは言う。

「だれにも相談できませんでした。結局ホストに相談するしかないんです。被害を被っているのに、頼るのが彼しかいない。ホストも信頼関係が続いているように振る舞うんです。ホストは、『返せる時に返したいから、その方法を相談したい』とも言ってきました。彼と切れると約400万円も失うことになると思っていました」

 7月の下旬には店に行き、61万円の支払いをしている。

「なかなか関係を切ることができませんでした。会い続ければ、お金を返してもらえる可能性があると思うんです。だから店に行かないと不安でした。ヘルプのホストも煽ってきますし、61万円の会計時は、クレカを『通してみていい?』と言われて、なかば強引に切られました。あのときの感情はよくわかりません」(Sさん)

ホストクラブの相談所

 昨年12月5日、ホストクラブオーナーたちは業界団体を立ち上げると新宿区役所で吉住健一新宿区長と会見をした。

 各グループごとに相談所を設けることも言っていた。Sさんの通っていたホストクラブも相談所を設けていた。Sさんは、その相談所へメールで相談した。相談したことは、すぐに担当ホストの耳に入り、「社長、会長にも話して。怒られたよ」と連絡がきた。

ホストグループが設けている相談所とのメールのやりとり

 年が明けて、歌舞伎町にある喫茶店にホストから呼び出された。そこへは、社長と担当ホスト、Sさんの三者面談がセッティングされていた。テーブルには用意されていた示談書があり、約150万円で示談という内容だった。