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「まったく納得できませんでした。でもこれを拒否すれば、0円かもしれない。まったく返ってこないよりは……。なによりも早く終わりにしたくて。サインをしてしまいました」(Sさん)

 Sさんは、サインをしてしまった。サイン後、社長は約150万円の示談金を取り出してSさんに渡した。そして、喫茶店を後にした。残されたSさんはホストから「生活費が足りないし他の客の支払いで大変だ」と言われ続け、最後に「今までのLINEのやりとりを全部消して」と言われ、その場でLINEのやりとりを削除し、60万円を取られたという。

「札束を数えているあの顔は忘れられません。悔しいです」(Sさん)

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恋愛感情を利用して女性のお金を搾取する

 日に日に納得いかない思いを募らせたSさんは、「法テラスなどに連絡して弁護士とも話しましたが、納得いく回答は得られませんでした。サインしてしまったこと、記録がないことがネックになっていました。青母連に相談して、もう一度、ホスト側と交渉できそうになって、道筋ができました。この件を解決して、消費者金融への返済で肩代わりをしてくれて迷惑をかけている親にきちんと謝りたい」という。

 青母連・事務局長の田中芳秀さんは。「ホストクラブ側の相談所は機能しているのか甚だ疑問でした。第三者機関が必要と青母連は言い続けています。恋愛感情を利用してきた当事者と1対1にすることは疑問しかありません。擬似恋愛の関係性のなかで完全に女性はマウントを取られ、マインドコントロール下にいます。Sさんのようなケースは多いはずです」と言う。

 Sさんは現在、職場と自宅を往復しつつ、中国地方に住む親にお金を返済している。

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