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「初めて中途採用数が新卒を上回りました」みずほFGで元毎日新聞記者の47歳女性社長が誕生がしたワケ

2024/05/13

source : 週刊文春 2024年5月2日・9日号

genre : ビジネス, 企業, 経済

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 木原誠二幹事長代理の実兄、木原正裕社長(58)率いるみずほフィナンシャルグループ(FG)。そんな同社で新たに、元新聞記者の女性社長が誕生した。

みずほFGの木原社長

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元毎日新聞記者が新会社の社長に就任

 みずほFGは4月3日、ゲーム大手セガの子会社「セガ エックスディー」と共同で、金融や経済をゲーム感覚で学ぶアプリの開発会社「みずほポシェット」を設立した。2025年4月のサービス投入を目指す。

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 新会社は、社内ベンチャーを発掘する「みずほグループCEOチャレンジ」の第1弾プロジェクト。事業を発案し、社長に就いたのは、小原綾子氏(47)だ。

小原新社長(みずほFGのHPより)

「実は彼女の前職は毎日新聞の経済部記者です。流通業界や製紙業界などを中心に担当していました。取材を通じ、日本企業の海外進出を支援したいとの想いが募り、07年にみずほ銀行に転職。国際営業部などでキャリアを積んできた。国際戦略情報部時代には、ミャンマー・ヤンゴン支店の立ち上げ支援を手掛けています」(みずほ関係者)

金融教育に関心の高い小学校とアプリの共同開発に着手

 新会社にはみずほ銀行からもう1人、新倉康幸氏(45)が取締役に就く。新倉氏も日本ユニシスからみずほ信託銀行に転職。みずほ銀行でもシステム企画業務などに従事し、社内のDXを推進してきた。

「小原氏は自身の育児経験から、19年にも銀行の支店で学童保育をやってはどうかと事業化を提案したことがありました。ただ、コロナの影響もあって日の目を見なかった。今回の金融・経済教育アプリは小学校低学年の利用を想定している点で、学童保育と同じ流れにあります」(同前)

 みずほ銀行がこの構想を全国の支店を通じて取引先に紹介したところ、セガが賛同。みずほ側が59%、セガ側が34%を出資する形で新会社を設立した。小原氏も自ら500万円、新倉氏も100万円を出資している。