世界的な人気を誇る米オートバイ「ハーレーダビッドソン」の日本法人「ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)の正規ディーラーが、昨年4月から今年4月までの1年間で全店舗の約1割にあたる13店舗が相次ぎ閉店し、110店舗から97店舗にまで減少していたことが「週刊文春」の取材でわかった。ディーラー経営者の1人は取材に対し、相次ぐ閉業の背景には「HDJ本部によるディーラーの“締め付け”がある」と証言した。

 昨年、創業120周年というメモリアルイヤーを迎えたハーレー。だが、「週刊文春電子版」は昨年9月3日に配信した記事で、HDJ本部に対する複数のディーラー経営者の悲痛な告発を報じた。

公式サイトより

 HDJでは、直営ディーラーはなく全てのディーラーが正規ディーラー契約を結んだ別会社。ハーレーダビッドソン以外のブランドの新品車輌は扱うことのできない決まりになっている。

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全体の1割にあたるディーラーが閉業を選択

 ディーラー経営者の告発内容は、主に以下のようなものだった。

・多くのディーラーが「120周年だから新規登録台数目標は『前年比120%』」などといった本部が設定する過度なノルマに苦しんでいること

・ディーラー各店は販売台数を稼ぐために自ら車輌を買い取る“自爆営業”を行い、多額の負債を抱えていること

・ディーラー経営者たちは団結して決起し、公正取引委員会にHDJ本部の行いについて“通報”したこと

 報道後、編集部には全国の正規ディーラーから「うちも大変なことになっています」という悲痛な訴えが続々と寄せられた。

 あれから7カ月。改めて取材を進めると、HDJとディーラーの間に生じた溝は、埋まるどころかさらに深まっていた。わずか1年という間に、全体の1割にあたるディーラーが閉業という選択をしていたのだ。