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ミス東大に選ばれながら考えた「ミスコンのあり方」

――入学直後には「ミス東大」に選ばれました。途中、運営サイドの不手際を訴えたそうですね。

神谷 すでに話し合いは終わっているので詳細は控えますが、そもそもミスコンという場は基本的に男性の集団が運営している割合が多く、候補者の女性に対して、「これを足がかりにしてアナウンサーになりたいよね?」などと、圧がかかりやすい。加えて社会経験の少ない学生という立場もあり、なにか問題があっても声を上げにくい環境にあると思います。

 なので、世間に訴えないと変わらないという思いから、SNSで発信しました。

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――ミスコンを中止しようという運動もありますが、神谷さんは今後のミスコンのあり方についてどう思いますか。

神谷 1学生がここまで大きな影響力を持てるような機会はそうそうないので、ミスコン自体がすべてダメとは思いません。しかし、そもそも、学生主体のイベントではなくなってきている傾向もあり、運営のあり方は考えないといけないと思います。

将来は、子どもたちの健康を守る仕事がしたい

――4月からは東京大学大学院に進学されました。就職や芸能活動ではなく院を選んだ理由は?

神谷 大学3年生のときに「ヤングダボス会議」という国際会議に参加して、自分の無力さを知ったことが大きいですね。参加した人たちから、「国際機関で働くには博士号、最低でもダブルディグリー(2つ以上の修士号を持つこと)がないと話にならない」と言われました。

 だったら、今私は日本最高峰の大学にいるのだから、世界に通用する素地をここで養おうと思い、大学院への進学を決めました。夢は、世界銀行で働くことです!

 

――世界銀行を目指す理由は?

神谷 妹が1型糖尿病になってしまい、何一つ力になってあげられない自分を不甲斐なく思っていました。だからこそ、影響力や知力をつけて、子どもたちの健康を守る仕事がしたいと思っています。

 私は社会を動かすには経済から変えるのが一番早いと思っているのですが、国際機関が動いたとしてもできることは限られていて、課題解決には民間の力が絶対に必要です。その民間を支援する国際機関に行きたいと思い、今は勉強を頑張っているところです。

――世界銀行を目指して学業に励まれる一方、炎上も辞さないほど芸能活動にも打ち込む理由はなんですか?

神谷 正直、これからグラビアを積極的にしたいかというとその気持ちはありません。

 ただ、院を卒業した後は起業するか会社に入ってビジネスを学んでから世界銀行を目指そうと思っているので、「to C」向けの影響力はいくらあってもいいと思っています。

 私にとって、芸能活動は若いときしかできないと思っていますから、有名になれるなら被り物も被りますし、虫も食べます!

写真=釜谷洋史/文藝春秋