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セーラー服を着るために学園ものを…

遠藤周作も劇団「樹座(キザ)」を主宰して何度も公演を行った

「原作について最初は、時代劇を考えていたんです。ただ衣裳も鬘も費用が嵩むので、現代劇にしようと考えていたところ、誰かから『セーラー服をせっかくの機会だから着てみたい』と声が上がり、それだったら学園ものだという話になりました。

『放課後』を原作にすることについては、僕が東野さんに連絡して了承をもらいました。(文士劇を公演をすることについて)心配されましたけれど、『パロディでどんな風に内容を改変することも構いません』と言ってもらえて、とにかく有難かったです。日本でいちばん読まれている作家の作品を原作にすることができて、話がどんどん動きはじめた感じです。

 プロデューサーや演出もプロの方にお願いし、会場のサンケイホールブリーゼは関西有数の劇場です。僕らアマチュアの役者以外は、すべて一流の原作、一流のスタッフ、一流の劇場が揃いますので、華麗な舞台になると思います」

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1997年日本推理作家協会創立50周年を記念した文士劇「ぼくらの愛した二十面相」。主役を争った北方謙三(右)と大沢在昌(左)

 気になる配役は夏に発表され、チケットの発売は9月1日(日)正午から。今後は公式HPにて稽古の様子なども公開予定される。役者に挑戦する作家たちの奮闘ぶりに、ぜひ注目してほしい!

盛岡文士劇の座長を長く務めた高橋克彦(右から2番目)、それを引き継いだ井沢元彦(左)

原作「放課後」のあらすじ
校内の更衣室で生徒指導の教師が死んでいた。犯人候補は続々と登場する。先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女、先生をナンパする運動部の主将――そして運動会の仮装行列で、第二の殺人が起きてしまう。1985年に第31回江戸川乱歩賞を受賞した、東野圭吾・伝説のデビュー作。

画・黒川雅子