作家や文化人などが演者となった、アマチュア演劇で明治期に起源をもつ「文士劇」。なかでも戦後、文藝春秋が毎年12月に開催していた文士劇は、三島由紀夫や石原慎太郎、有吉佐和子ら豪華な顔ぶれが評判を呼び、昭和の風物詩であった。現在でも盛岡文士劇が回を重ねているが、この度、関西在住の作家を中心とした「なにげに文士劇2024」が、2024年11月16日サンケイホールブリーゼで旗揚げ公演されることが発表された。

1958年年文藝春秋主催の文士劇で髭の意休を演じた三島由紀夫(右)と助六を演じた石原慎太郎(左)

「なにげに文士劇2024」の実行委員長を務める黒川博行さんによれば、「何かよう知らんうちに(文士劇を)やることになったので、意気込みはないんです(笑)」というが、大阪での公演は実に66年ぶりとなる文士劇。次々に「久しぶりの文士劇に参加したい」と名乗りが上がり、実行委員の朝井まかてさん、東山彰良さん、澤田瞳子さんに加え、一穂ミチさん、上田秀人さん、門井慶喜さん、木下昌輝さん、黒川雅子さん(画家)、蝉谷めぐ実さん、高樹のぶ子さん、玉岡かおるさん、百々典孝さん(紀伊國屋書店)、湊かなえさん、矢野隆さんら、錚々たる出演者が揃った。

実行委員長の黒川博行さん
朝井まかてさん
東山彰良さん
澤田瞳子さん

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 しかも原作は東野圭吾さんの伝説のデビュー作「放課後」だ。