「これはもうヤバいな。こっから目くるめく速度で、マスコミに広がるんやろうな」
と感じ、トラブルが表沙汰になるのを覚悟しました。
そして、事務所と話し合いをして、すべての生放送のレギュラー番組や、収録済みの番組を含めて、出演しているものをストップしてもらいました。とにかく、少しでもリスクを減らすことしか考えられませんでした。
そして7月中旬に、一斉にマスコミが報じます。
「不安にも種類があるんや」と気づいた
7月23日には松竹芸能を退所することを発表しました。
僕はその辺りのできごとをあまり覚えていません。当時の自分の精神状態や、身に起きたことがらは覚えています。ただ、それが人間の強さなのか、防御本能なのかわかりませんが、本当に辛かったはずのいろいろなできごとが「ポコっと」記憶から抜け落ちているのです。
そして、振り返ってみて、「不安にも種類があるんや」と気づきました。
将来に対する不安が投資に向かわせたことは説明しましたが、それよりも大きなものは、「未知のこと」に対する不安だと思ったのです。
投資トラブルを隠しようがないとわかったとき、僕はご飯が食べられなくなりました。食べてもすぐ、誰にもいわずにトイレに駆け込んで、すべてを戻してしまいます。固形物はサプリメントバーも受けつけません。栄養補給ゼリーでなんとか体調を保っている状況です。体重も13kg落ちました。
それが、報道された途端に食べられるようになりました。まだ、体重は落ち続けていましたが……。
そこを自分なりに俯瞰してみると、僕の不安の中心にあったのは「記事になるという現実」でした。
どういう報道をされるか、どんなトーンで書かれるか? そこが未知数だったからです。「未知の不安」にビビっていたのでしょう。記事が出て「ついに白日の下にさらされたな」と観念しました。それでも、逆に自分の気持ちは落ち着きました。