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メガネスーパー社長が語る「見せかけの正論」を社内から一掃できた理由

「メガネをビジネスする」株式会社メガネスーパー・星崎尚彦社長インタビュー #2

2018/04/24

会議は7~8時間ノンストップ

――社員の一体感も強いようにお見受けします。

星﨑 一体感はありますね。というのも、私が就任して最初に言ったのが「社員皆が仲良くなろう!」というメッセージだったんです。全国の社員同士顔が見えて仲良くなれば、会社はもっと楽しくなるよと。

 現在、1週間のことを振り返り今後の戦略を決める「アクション会議」を毎週行なっています。ここには全国から200人程度の社員が集まり、7~8時間ノンストップで議論をし続けています。社内はかなり活性化しました。

 

 また、「キャラバン」といって私が隊長となってバスを運転し、社員100人前後でいくつかの店舗を回り、店舗をリニューアルさせる取り組みも毎週行なっています。所属を問わず誰でも参加できるので交流の場として機能すると同時に、各店舗を皆で徹底的に見直す機会として大きな効果も発揮しています。

 このキャラバンを通して私は全国の社員と面談をしているので、社員についてはプライベートなことも含めかなり詳しいんですよ。「メガネスーパーの瓦版」と呼ばれています(笑)。

社員が有志で傘下企業へ応援に

――昨年は、ビジョナリーホールディングスを立ち上げられて、地方のメガネチェーンなども傘下としています。

星﨑 うちが結果を出したことで、今では他のメガネチェーンからも「我が社もなんとかしてくれないか」という相談もいただくようになっていまして。その一つが富山のメガネハウスで、2016年12月に屋号と従業員を引き継ぎました。

 すると私が頼むでもなく、メガネスーパーの社員たちが有志でメガネハウスのお店へ手伝いに行っているんですよ。彼らには自分たちも一度苦しんで、そして成功した経験がある。会社が買収されて不安に感じているであろうメガネハウスの社員たちに、「頑張れば給料も上がるし、お客様にも感謝されるんだよ!」という実体験を伝え、応援しに行ってるんです。その甲斐もあってか、買収から1年で昨対比150%を超え、利益が4倍になるなど、業績もグッと良くなってきています。

 ちなみに、うちは黒字化にともなって、一昨年に9年ぶりにボーナスを支給しました。儲かった分はきちんと社員に還元していきたいですね。メガネ業界に新しく人が入ってくるように、給与水準はできるだけ上げていきたいと考えています。

――会社の一体感が、買収先の企業にまで伝播している感じですね。

星﨑 そうですね。でも、じつはこれまでメガネ業界でオールドプレーヤーと呼ばれる企業同士は、あまり仲が良くなかったんです。シェアを取り合い、潰し合いをして、先に音をあげた者がいなくなる……、ということを繰り返してきた。でも私は主要なメガネチェーンのトップには自ら会いに行き、「こんなバカな戦いはやめましょう」と伝えて回っています。

 

「メガネ難民」を作ってはいけない

――それはなぜですか。

星﨑 うちに限らず、お店は“なくならないこと”がお客様にとって一番大事だからです。お客様が来店されるときって、じつは名前でお店を選ぶというよりも、“近所だから”という理由で選んでいるお客様が多いんです。メガネは一度売ってそれで終わりではない。その後のメンテナンスも大切ですから、お店がなくなることがあってはいけない。「メガネ難民」を作らないことこそが絶対に大事なので、だからこそ潰し合いはやめましょう、一緒にメガネを付加価値ビジネスに変えましょう、とお伝えしています。

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