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メガネスーパー社長が語る「見せかけの正論」を社内から一掃できた理由

「メガネをビジネスする」株式会社メガネスーパー・星崎尚彦社長インタビュー #2

2018/04/24

次はメガネ業界全体を改革していきたい

――メガネスーパーの利益だけを考えれば、単独でやられたほうが良いのではと思うのですが。

星﨑 クローズドにして短期間の利益を追求するよりも、オープンリソースとして広めたほうがマーケットは絶対に広がると思っています。もちろん一方で、我々が一定の囲い込みはできるだろうという思いもないことはありません。ですがマーケットを4000億円から1兆円にまで広げるためには、自分たちだけで囲い込んでいる場合ではないだろうと。仲間がいたほうが業界内外のバリアも突破しやすく、業界を変えていくスピード感も高まるでしょう。メガネ業界、まだまだスキだらけですから。

 

――メガネ業界の体質から変えていく必要があると。

星﨑 はい。マーケットが小さいので、誰もまともに投資をしてこなかったんですよ。これからいろいろ改革をしていかないと、世界からの波にもまったく太刀打ちできないと思っています。

 業界全体が遅れているから、業界外から参入したJINSやZoff、OWNDAYSが成功するんです。彼らはとてもクレバーだと思いますよ。これまで業界が打ち出せていなかったファッション面を軸に切り込んでいったのは正解だったと思うし、検査時間を短くしようという考えも、ひとつのビジネスモデルとしてはアリだと思っていますし。

 でも我々は同じ土俵で戦っているとは思っていないんです。我々は先ほども申し上げた通り、一人ひとりのライフスタイルに合ったメガネを提案することを目指しているので。どちらが良いという話とも違うんです。

「アイケア」に重点を置いた店舗サービスに転換した (写真提供:メガネスーパー)

――業界から変えていきたいと思われるのはなぜなのでしょうか。

星﨑 サプライチェーンを含めて、付加価値を高めていきたいからです。まずは売り方、お客様とのコミュニケーションから変えていき、ここから川上に向かって改革をしていかなければと考えています。

 小売りだけでなくサプライチェーンすべてがスキだらけですから。未だにフレームの納期が18週間と言っているんですよ。私が1989年に商社に入社したときのアパレルの納期がそれぐらいでしたけれど、ここへ来る前に社長を務めていたアパレル企業では3週間。生地の用意があれば2週間でフォローをかけていました。このスピード感なら、売れ筋商品も商機を逃さずフォローすることができます。

小売りの勝ちパターンが出来上がってきた

――では今後は、自社工場を作るなどの可能性も?

星﨑 付加価値を提案する我々のやり方が正しいということを証明しながら、パワーを強めることができれば、それもあり得るかもしれません。サプライチェーンを含め付加価値を高めていけるよう今後はM&Aも盛んにやろうと考えていて、フレーム工場もレンズ工場も視野に入れています。フレームを4週間で作ろうとしたら、自分たちでやらないと無理ですから。

――そうなると、メガネ業界もさらに大きく変化しそうです。

星﨑 「ポジティブ」「スピード」「ゼロベース」が我々の社是なんですが、ゼロベースって本当に難しいんです。でも成功体験にすがることなく、ゼロベースでメガネ業界も変えていく必要がある。現在、だいぶ小売りの勝ちパターンが出来上がってきたので、これからいよいよ川上に入っていこうと思っているところです。まだまだやらなければならないことは、たくさんあります。

 

写真=平松市聖/文藝春秋

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