予想される激しい多数派工作
そこで筆者は、実際に自民党を割って出てくる可能性がある議員がいるのか尋ねた。すると野田氏はこう明言した。
「いますね。(名前は)言えませんけど。相性が合うし、一緒に仕事したいと多分お互いに思ってる人はいます」
一方でもし自公が過半数割れした場合は、自民党も日本維新の会を抱き込んで政権継続を狙うだろう。激しい多数派工作が今から予想される。野田氏は自分に言い聞かせるように語った。
「公明党がいつまで自民党と一緒なのか。与党にも自民党の内部にも、野党にはなおさらいろいろなミシン目がある。いろいろな組み合わせがありますから、緊張感を持っていろんな人とお付き合いをしていきたい」
首相再登板はあるのか?
そんな野田氏に自ら代表として立憲民主党を率いていく覚悟はあるのか質すと、率直にこう語った。
「このまま(自民党の)一強多弱で政治人生を終えたくないですから。もう一回政権交代を実現するのが悲願です。そのために私もできることはもちろん何でもやりたいと思います。ただ立憲民主党を率いたいとか、自分が進んでやる話ではまったくないと思ってます」
一方で党内にくすぶる泉健太代表の交代論について、野田氏はこう釘を刺した。
「大事な国会の終盤に、自分たちが選んだリーダーに『あの人は駄目だ』と言うような組織は信用されない。100点満点ではないかもしれないけれども、それを補って支えていくチームが、私は信頼されると思います」
一昨年10月、野田氏は安倍晋三元総理の追悼演説で憲政の神様・尾崎咢堂の「人生の本舞台は常に将来に在り」という名文句を引用し、亡き安倍氏の政治姿勢に思いを馳せた。その言葉について番組でこう述懐した。
「あれは安倍さんに向けた言葉であると同時に、自分にも向けた言葉なんです。お互いまだやるべきことがいっぱいあるのにねという考えを含めて使わせて頂きました」
野田氏の“本舞台”はいつどのような形でやってくるのか。それは日本政治の行方にも大きな影響を与えることになるだろう。
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野田氏が出演した、文藝春秋ウェビナー「青山和弘の永田町未来café」は、「文藝春秋 電子版」で見ることができる。
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