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「10万円以下でお葬式」は事実上不可能…ネットにはびこる「葬儀○万円から」のウソを現役葬儀社社長が告発する

source : 提携メディア

genre : ライフ, 社会

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スマホで「バッテリー上がった」などと検索すると「24時間受付 都内30分以内 3980円」といった広告が見つかる。急いでなんとかしないといけない事なので、電話で総額料金を聞き、到着までの時間を確認して依頼をしたが、25分と言われた到着時間を大幅に過ぎても到着せず、やっと着いたのは電話から90分経ったころだった。

しかも最初に言われた言葉は「出張料など込みで2万円になります。どうしますか?」だった。話が違う事や到着時間を大幅に過ぎていることを伝えても、料金を支払えないならそのまま帰ると言われ、そのあとの仕事の都合もあるので、なんとか交渉して1万8000円まで値引きさせて、「勉強代か……」とあきらめる――という話はどこにでも転がっている。

葬儀も同様で、安くできると思ってネットの広告を信じてしまい、依頼して、遺体を預かってもらうところまでいって、やっと総額の見積もりがでてくる。そこで予想の何倍もの見積もりを見せられて「断るならキャンセル料がかかる」「最低限の金額では顔を見ることもできないが、どうする」といった騙し打ちのようなことが起こっている。

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国民生活センターも注意喚起

これは火葬だけの葬儀だけではなく、少人数での家族葬や一日葬といったプランを頼んだ場合も同様である。私の知るひどいケースだと、「参列者たった6人で220万円」という高額請求が菩提寺住職の機転で回避されたという事実もある。

国民生活センターは今年の2月14日付で、オプションを次々と追加し、最終的に広告で表示された金額とは程遠い高額請求をする悪質なケースがあるとして注意喚起をしている。

以上のことから、ネットで葬儀社を選ぶのはあまりおすすめできない。

ネットなどを含む広告での表記が信じられない時代になってきている。見積もりを取っても、その見積もり通りに仕事をしてくれるかは保証がない。口コミも自作自演の可能性があり信用できないとしたら、良心的な葬儀社はどのようにして見つければよいのだろうか。