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メッセでもマリンでもない…京葉線“ナゾの終着駅”「海浜幕張」には何がある?

2024/06/10

genre : ライフ, , 社会, 歴史

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と、ここまでは「ザ・副都心」っぽい光景ですが…

 しかし、もう少し範囲を広げて町を歩いてみると、ちょっと違った海浜幕張の町の姿が見えてくる。

 メッセとマリンスタジアムに挟まれた海浜大通り。この道を南東(千葉方面)に向かって進む。サッカー日本代表関連の施設が建ち並ぶ施設を右に見つつ5分ほど。海浜大通りには大きな図体のトラックがひっきりなしに行き交っている。

 

 その先を北に(つまり陸側に)入ると、そこは住宅地だ。幕張ベイタウンと呼ばれる住宅地で、本格的な開発は1990年代の半ば以降。幕張メッセができたのは1989年だから、それより少し遅い時期に開発された住宅地、ということになる。

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 すぐ近くに幕張メッセがあるということが、住宅地にどれだけメリットがあるのかどうかはよくわからない。ただ、住宅地の中を歩いて見ると、なかなか暮らしやすそうだなあという印象を抱く。

 中層の集合住宅を中心に建ち並び、その1階部分にはなんだか小洒落た飲食店なども入るし、エリアの中には住宅地もある。そもそも、この住宅地は海浜幕張駅にも近くて交通の便に不満はなさそうで、アウトレットにイオンなど、買物をするにも困ることはない。

 
 
 

 それに、住宅地エリアとメッセやオフィスビルがあるエリアの間には、幕張海浜公園という緑地帯が設けられている。おかげで、メッセとマリンスタジアムで大規模イベントが重なったとしても、住宅地エリアの静謐は保たれる。人工的な町だけあって、実によく考えられている。

本社があるせいか巨大なイオンモールも…

 幕張海浜公園は、京葉線の高架の線路を跨いだ北側にも続いている。その北側も、本質的な町の雰囲気は変わらない。こちらの方には公共機関や教育機関なども目立つし、テック系の企業(キヤノンやIBM、シャープ、富士通など)がまとまったゾーンもある。

 駅の近くには商業施設もそれなりの密度で集まっている。イオンに映画館、飲食店ばかりが入ったビル。大型商業施設と名の付く類いのものは、ひととおり揃っている。

 

 ちなみに、イオンはその本社を幕張に置く。駅前から周囲を見渡せばすぐに目に入る、おなじみのロゴを掲げた本社ビル。だからというわけでもないのだろうが、お隣の幕張豊砂駅前には巨大なイオンモールもある。幕張は、イオンの町という側面も持っているのだ。