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メッセでもマリンでもない…京葉線“ナゾの終着駅”「海浜幕張」には何がある?

2024/06/10

genre : ライフ, , 社会, 歴史

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ふたつのシンボルが誕生したのは平成になってから。その平成ももう過去になり…

 ただ、この時点で駅の周辺はまったく手つかずの空き地が広がるばかり。ようやく1989年に幕張メッセができて、“副都心”にふさわしい雰囲気を持ち始める。ちなみに、メッセができるといきなり東京モーターショーの会場になり、以来日本を代表するコンベンションセンターであり続けている。

 
 

 そして、1990年にはマリンスタジアム。ロッテが川崎から本拠地を移すのは1992年になってから。前後して巨大なビルが次々に完成してホテルも開業、並みいる大企業も相次いでやってきた。幕張ベイタウンの分譲がはじまったのは1994年。この年、イオンの本社ビルも完成している。

 幕張副都心の建設は、ちょうどバブル期に重なっている。日本がイケイケどんどんだった最後の時代。海浜幕張の町は、ちょうどそういう時代に建設が進み、バブルが弾けた90年代に姿を見せた。

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 以後も、不況の時代にも負けずに開発が続いた。つまり、海浜幕張は平成の30年間で誕生した海の上に現れた町といっていい。

 もう平成も過去になり、幕張副都心の誕生から40年ほどが過ぎた。着々と開発が進んできたとはいっても、これだけ時を刻めばこの町にも歴史が生まれる。

 このほどの京葉線騒動で消滅した通勤快速という列車は、海浜幕張駅にも停まらず通過する列車だった。幕張メッセも何もなかった頃に生まれた京葉線と海浜幕張駅は、40年という長いようで短い歴史を見守り続けてきたのだ。いまも生まれたときと変わらずに近未来感を感じさせるこの町と駅は、これからどのような歴史を歩んでゆくのだろうか。

 
 

写真=鼠入昌史

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