黒沢清に現場で教わったこと
──最後に、今回初めて仕事をされてお互いをどうお感じになりましたか?
柴咲 監督には俳優としてどうあるべきかを、言葉ではなく現場で教えていただいたと感謝しています。
黒沢 いえいえ、隠しているわけでもなんでもなく、僕自身にも答えはないんですよ(笑)。映画は俳優とスタッフのみなさんの力を借りてつくりあげていくものだと思っているのでこちらこそ感謝しています。
くろさわ きよし 1955年生まれ、兵庫県出身。立教大学の自主制作サークル時代に長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』の制作に参加し、1983年に監督デビューをする。
97年『CURE』で国際的に注目を集め、『岸辺の旅』(15年)で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門・監督賞を受賞、『スパイの妻』(20年)で第77回ヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞を受賞。9月には『Cloud クラウド』の公開が控えている。
しばさき こう 東京都出身。1998年デビュー。映画『バトル・ロワイアル』(00年)、『GO』(01年)の演技が高く評価される。その後NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17年)で主演を務め、近作では『沈黙のパレード』(22年)、『ミステリと言う勿れ』(23年)など話題作に多く出演。
昨年は全国ツアー『柴咲コウ CONCERT TOUR 2023 ACTOR'S THE BEST』を開催するなど、俳優、アーティストとして幅広く活躍を続ける。
柴咲コウ
メイク:渡辺真由美(GON.)
スタイリスト:柴田圭(tsujimanagement)
『蛇の道』
INTRODUCTION
『岸辺の旅』(15年)や『スパイの妻』(20年)などで国際的に高い評価を得る黒沢清監督の新作は、1998年に公開された『蛇の道』のセルフリメイクだ。オリジナル作の主役(哀川翔)を柴咲コウが演じ、舞台を日本からフランスに移し全編現地で撮影された。
メイキング映像の中で、監督自身が「僕のこれまでのキャリアの中で最高傑作ができたかもしれない」と語り、柴咲は短期間でフランス語を習得しフランスのアパートで一人住まいをして撮影にのぞんだという。
STORY
何者かによって8歳の愛娘を殺された、アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)。偶然出会った心療内科医の新島小夜子(柴咲コウ)の協力を得て、犯人を突き止め復讐することを生きがいに、殺意を燃やす。
“誰に、なぜ、娘は殺されたのか”。とある財団の関係者たちを2人で拉致していく中で、次第に明らかになっていく真相。“必ずこの手で犯人に報いを——”その先に待っているのは、人の道か、蛇の道か。
STAFF & CAST
監督・脚本:黒沢清/出演:柴咲コウ、ダミアン・ボナール、マチュー・アマルリック、グレゴワール・コラン、西島秀俊、青木崇高/2024年/フランス・日本・ベルギー・ルクセンブルク/113分/配給:KADOKAWA/公開中