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「またまた、冗談ですよね~」
「食え」
「え? マジっすか? 本気で言ってるんですか?」
「食え」
「……」
「食え」
床に這いつくばって焼きそばを食べる編集者
編集者は床に這いつくばって、Nさんの手から焼きそばを食べた。Nさんは、淡々と編集者の口に焼きそばを詰め込んだ。
「うまいか?」
「う、うまいです……」
Nさんは満足げにニッと笑った。
僕は、とても厭な気持ちになった。
インタビューを終えた後、Nさんは誰かに電話をしていた。怒り心頭になると、「食うぞ!!」と脅していた。彼の周りの人達は、彼が人食いであることを知っているようだ。
東京から青木ヶ原樹海は自動車で2~3時間もあれば到着するが、その日は延々と移動しているような気がした。