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「前髪をトサカの様におっ立てて」「安室奈美恵が人気に火をつけた極細眉」90年代は日本の女が“オトナ”になったのか

2024/06/25
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齋藤薫さんが美容の移り変わりから世相を読む「ビューティー的知見」『週刊文春WOMAN2024夏号』に掲載された、「90年代は良くも悪くも日本の女をオトナにした?!」の一部を抜粋の上、ご紹介します。

1.90年代は、史上初日本だけのトレンド、太眉とトサカ前髪で始まった!

 あれは一体何だったのか。90年代の入口、閃光の如く始まって終わったバブルの象徴、ジュリアナのお立ち台の上で揺れるトサカ前髪。それは80年代後半に始まる景気の狂乱がもたらしたアダ花に他ならず、成功の妄想に酔った男たちがその証としてトロフィー女子を求める構図がそこにはあった。

1988年のドラマ「抱きしめたい!」で浅野ゆう子がしていたトサカ前髪が流行 ©文藝春秋

 なぜか皆自信満々、私こそあなたが求めるトロフィー女子とばかりに、お立ち台やハイヒールでは足らず、前髪をトサカの様におっ立てて、女王様目線で世の中を見下ろしたのだ。どんな時代も、地位を誇示したい者は頭が高くなる。

平野ノラは太眉ソバージュ。 ©時事通信社

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 80年代は「女の時代」と持て囃されたのがエスカレートした形で太眉もセット。とは言え、わずか3年でジュリアナ閉店。パワーを持て余す90年代女子の声は、清水ちなみのOL委員会などにまざまざ残されることになる。

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