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2.バブル崩壊で国力低下? スーパーモデル文化が怒涛の襲来

 70年代は外国人コンプレックスが強かった日本人も『ジャパンアズNo.1』がベストセラーになって一気に自信を深めたせいか、憧れの対象も欧米人より日本人となってバブルを迎える。だが崩壊後、国力低下の証か、折しも世界的な盛り上がりを見せていたスーパーモデルブームを諸手を挙げて受け入れ、90年代はスパモ人気が社会現象となるほど、異常なボルテージを示した。

カルバン・クラインのモデルとして一躍有名になったクリスティー・ターリントン ©AFP=時事
黒人モデルとして初めてパリ版『VOGUE』の表紙を飾ったナオミ・キャンベル。 ©AFP=時事

 ブームの火付け役リンダ、クリスティー、ナオミたちの一挙手一投足、私服や食べ物、暮らし方までが情報として最も価値あるものとなる不思議な現象も。当時は明らかに体型至上主義、あの体があれば豪華な宝石など不要、細身のジーンズ1本で圧倒的な存在になれるという新しい美意識が浮上。

リンダ・エヴァンジェリスタは「1万ドル以下の仕事なら、ベッドから起きないわ!」との発言でも知られる。その後痩身手術に失敗し、5年間身を隠した。 ©AFP=時事

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 歴史的なダイエットブームとともに、摂食障害の問題を孕みながらもトレンドとしての健康志向がじわじわと始まっていくのだ。