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 重病を患うと、自分の見た目が変わってしまったことに引け目を感じたり、周りに迷惑をかけるのを気にして、すぐに仕事に復帰するのを避ける人も多いらしい。

 でも、今は2人に1人ががんを患う時代である。そんな遠慮をせずにむしろ積極的に早く社会復帰すべきではないだろうか。重病を患っても、見た目がハゲに変わってしまっても、気合と根性があればすぐに仕事に復帰して明るく元気にやれるんだ、と体を張って示したかったのだ。

 とはいえ、退院後も当然治療は続く。仕事の量は徐々に増やしていったけれど、週1回の通院は何にも勝る最優先事項になった。2月に入院をめぐって主治医と押し問答した頃に比べれば、ずいぶん意識が変わったものだ。

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 9月下旬、主治医から「11月から第3弾となる治療を行いたい」と、告げられた。血液数値が予想よりも回復しておらず、まだ病気が体内に残っているとのことで、今度は、新たな注射と飲み薬を使って、血液数値の改善を目指すという。

©杉田裕一

 週1回ペースで注射を打ち、毎日朝に5種類、夜に4種類もの薬を服用することになったが、薬剤が内臓に悪影響を及ぼす可能性があるため、治療開始から1週間は経過観察の必要があるとのこと。10月26日に、再び入院することになった。

 ただし、今回は無菌室フロアではなく一般病棟だし、経過観察だから8月の入院に比べたら楽勝! そう思っていたが、甘かった。注射も薬も強いせいか、全身がだるく体調が優れない。それは、退院してからも変わらず続いた。

 特にショックだったのは、たばこだ。ご存じの方もいるかもしれないが、僕はかなりのヘビースモーカー。世間がどんなに禁煙推しになろうとも、たばこ愛は揺らぐことなく、毎日何十本も吸い続けてきた。それは、病気が判明してからもだった。

 それなのに、この治療を始めてから、たばこがおいしくなくなってしまった。男の意地(どんな意地だ!?)で吸い続けてはみたものの、数は激減してしまった。