宇佐見坂 悲しいですが、たまにあります。友人からも髪のことで「異常だよ」「長すぎ」などと陰で言われていたことがあって……。私のような、腰やお尻まであるという長さの髪型を「スーパーロングヘア」というんですが、この髪型の何がマイナス印象になるのか、その時にちょっと周囲に聞いてみたことがありました。

 周囲の何人かに聞いてみたら、長すぎる髪は「だらしない感じがする」「清潔感がない」って言うんです。

──なるほど……。

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宇佐見坂 でもそれって、なんとなくわかる気がして。たとえば「清潔感」ですが、髪の毛自体がホコリをどうしても纏いますし、そういう意味ではもともと清潔という概念から真逆のところに位置しているというのもわかる。たとえば飲食店で、髪をまとめてない店員さんにちょっと嫌だなと思ったり、みんな一度はあると思うんです。「だらしない」についても、毛先のばらついた、ぼさぼさの髪をただ伸ばしている姿を見て、見た目がちょっと嫌だな、と思ってしまう気持ちもわかる。

 それなら、どうすればスーパーロングを受け入れてもらえるのかと、モデルをやりながらずっと考えていて。一旦行き着いた結論としては、まず、私自身がTPOをわきまえた髪型をして、スーパーロングへの不快さを少しでも取り除くこと。次に、人一倍、髪の美しさに気を遣って、だれにも「汚い」とか「だらしない」と思われないくらい常にピカピカ、サラサラと誰もが「キレイ」って思うくらい、美しく髪を伸ばし続けよう、と。特に美しさについては、スーパーロングの印象を少しでも良い方向へ持っていけるように、という思いでケアを続けている部分もあります。

──かっこいいです。

宇佐見坂 とんでもないです。この2点だけしっかりできたらもう十分努力できていると思うので、あとは、何か言われたからといって、私自身があんまり深く考えなくてもいいかな、という。

──強い……! 陰口を言う人は、うらやましくて言っている部分もあると思います。

©橋本篤/文藝春秋

宇佐見坂 それについてですが、実は陰口を言っていたという友達からも、直接「実は髪のことで陰口言っていた。ごめん」とカミングアウトされたことがあって。その子はくせ毛の子だったのですが、「うらやましくて言っちゃったんだ」と言っていました。

 ただ、そのことがきっかけで、自分だけじゃなく、人の髪のケアにも目が向くようになりました。普段は使わないケア用品を試してみて「これよかったよ」と勧めてみたり。陰口言われて落ち込むよりも、その原因について全力でサポートしたいという気持ちになりましたね。