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我々がすべきは、流出した個人情報を拡散しないこと

―― 日本でも被害が拡大しているのでしょうか。

上原 増えていますね。例えば、今年2月にはスーパー「ゆめタウン」などを展開するイズミがランサムウェア攻撃を受けました。3年前には製粉大手のニップン(旧日本製粉)もランサムウェアとみられるサイバー攻撃で基盤システムがやられて財務諸表が出せなくなり、大騒ぎになった。2020年にはゲーム大手・カプコンが攻撃され、個人情報が流出しましたが、その後、一部の犯人は逮捕に成功してもいます。ただ今回のように犯人がロシアにいると思われる場合、法的措置を取るのは困難なので、本当にやりにくい。他の国にいたら辿れるかもしれませんが……。

ドワンゴ顧問の川上量生氏 🄫時事通信社

――今後の展開は。

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上原 今回、ハッカーの宣言通り個人情報が流出してしまいましたが、我々がすべきは、それをできるだけ拡散しないようにすること。とにかく公開された情報には触らない、見ない。不正な情報がダークウェブ以外に転載された場合は、速やかに削除を要請するなどの緊急措置が必要だと思います。

 2022年には警察庁にサイバー警察局ができ、こうした国際的なサイバー犯罪に対する体制が整ってきた。警察にとっても正念場なのではないでしょうか。

―― サイバー被害に遭わないよう、普段から気をつけるべきことはあるのでしょうか。

上原 今回の件を他山の石にして、企業の担当者は自社のシステムのセキュリティ対策をよく確認するべきだと思います。特に社内クラウドなどの基盤システムを乗っ取られたら一貫の終わりなので、未然に防ぐことが重要です。KADOKAWAがなぜ狙われたのかがはっきりしない以上、どこの企業でも狙われる可能性はあるのです。

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 7月4日発売の「週刊文春」および現在配信中の「週刊文春 電子版」では、KADOKAWAを混乱に陥れたロシア系の“最凶ハッカー”BlackSuitの正体と狙いについて、専門家の見解を交えて詳しく報じている。

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