「最近、岸田文雄総理の政策決定のあり方がトップダウンに感じることがある」

 岸田首相の政権運営についてそう語るのは、自民党の小林鷹之衆院議員(49)だ。当選4回ながら岸田政権で経済安全保障担当大臣を経験。今秋の総裁選への出馬も取り沙汰され、党内から「若手のホープ」と期待が集まる存在だ。

小林鷹之氏 ©︎時事通信社

 その小林氏が、月刊「文藝春秋」8月号の座談会「総裁選に出ますか?」に、評論家の宮崎哲弥氏、政治ジャーナリストの青山和弘氏と共に登場。岸田首相の政権運営に対する評価や、総裁選にかける思いについて語った。

ADVERTISEMENT

宮崎哲弥 氏

「『いつか?』と問われれば…」

 政権支持率のみならず、政党支持率の低迷も続く中、小林氏はトップである岸田首相自身が抱える課題についてこう分析した。

「政策でも政局でも、一つひとつはよく決断されたなと思うんですが、その決定によってどんな国家運営を目指すのかまでは、国民に伝わり切っていないのが問題ですね」

 宮崎氏が岸田首相について、「宏池会系の出身だから調整型とも目されていたけど、フタを開けてみると説明も調整もしない」と分析すると、こう応じた。

「議院内閣制ですから、政府と自民党が何度もキャッチボールをしながら政策を作っていくのがあるべき姿。仮に今のやり方がそれと乖離しているのなら、調整していく必要があると思います」

青山和弘氏 ©︎文藝春秋

 党内の若手議員から総裁選出馬の期待がかけられている小林氏。青山氏が「率直に、総裁選にどういう姿勢で臨みますか?」と切り込むと、こう答えた。

「まだ当選4回。今は自分の政治家としての能力をとにかく高めたい。そういう思いで政治活動を続けています」「いつか総理として国の舵取りを担う覚悟は持っていますが、『いつか?』と問われれば、いまは能力を高めていくことに尽きます」