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「別れるなら刺してやる」30代の“メンヘラ彼氏”に突然、フォークで鼻を突き刺され…20代前半で大怪我を負った漫画家の壮絶な恋愛経験

『メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話』著者・前田シェリーかりんこさんインタビュー #1

2024/07/15

genre : ニュース, 社会

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――なぜそう思うのですか?

かりんこ おそらくですが、私の態度がドライに見えて不安を抱かせていたのかな、と。私は誰かと付き合っていても、趣味や友人と遊ぶ時間も大切にしたくて。だから相手にも「自由にしていいよ」と言っていたのですが、彼らは人から頼られることに慣れているせいか、「放置されている」と捉えてしまったようで。

 

自立した大人の男性だと思って付き合い始めたら…

――“彼ピッピ”とは、どのような経緯で付き合い始めたのですか。

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かりんこ 先ほどもお話ししたとおり、彼は会社の先輩で、職場の飲み会で意気投合して、付き合うことになりました。30代後半で、社内での評価も高くて人柄も良い。役職や性別問わず人気のある人で、当時20代前半だった私から見ると、まさに「自立した大人の男性」だったんですよね。

 でも、付き合って1、2ヶ月も経ったら、だんだんと束縛するようになってきて。LINEの返信が少し遅れたり、同僚との飲み会で帰りが少し遅くなったりしただけで、「男と会っていたんじゃないか」と疑われるのは日常茶飯事でした。女友達と遊びに行くだけなのに、「男もいるんじゃないか」と疑って、付いてきたこともありました。

――そのとき、お友達の反応はどうだったのでしょう。

かりんこ 人当たりが良いから、友達との輪にすぐ馴染めちゃうんですよ。友達からは「すごく良い彼氏だね」「こんな素敵な人、手放しちゃだめだよ」と言われました。

 彼がいないときに、束縛されて困っていることを友人に伝えても、「かりんこのことが好きでしょうがないんだよ」「その程度なら可愛い束縛じゃん」と言われてしまう。だんだんと「嫌だと思う私がおかしいのかな?」と思うようになってしまって。1人で悩んでいたら、“あの事件”が起こってしまったんです。

(『メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話』より)

「別れるつもりだろ」「帰るなら刺してやる」とフォークを近づけて脅してきた

――フォークで鼻を刺されてしまった事件ですね。当時のことを詳しく教えていただけますか。

かりんこ 私は趣味で弓道をしていて、その日は練習で道場に出かけていたんですよ。そのことは、彼ピッピにも事前に伝えていました。でも、練習が終わって携帯電話を確認したら、約2時間見ない間に100件以上のLINEが来ていて……。「今どこにいるんだ」「趣味とか言って、本当は男と会っているんだろう」など、私を疑って責め立てる言葉が並んでいました。今でこそ笑い話にできていますが、そのときは背筋が凍りましたね。

「誤解だから、ちゃんと会って話そう」と連絡をして、彼の家(マンション)に向かったのですが、それが間違いでした。いざ会ったら、私の話に一切聞く耳を持ってくれなくて、それに私もイライラしてしまって。口論になった末、身長180cm以上ある体格の良い彼に、思い切り突き飛ばされてしまったんです。

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