その場の全員がコケた「フミヤの口説き方」
――“フェロモン”の正体は?
秋元 専門家じゃないからわからない。でも、幼稚園でママたちが、「あの男の子、カッコいいよね?」って言い始める頃から、分泌されるんだと思う。「可愛いね」ではなく、「カッコいいね」に変わるわけだから。
――それは、ハンサムってことなんじゃないですか?
秋元 そういう場合もあるけど、それだけじゃないんだよ。顔がいいとか、スタイルがいいとか以外のプラスアルファ……。
――う〜ん、今ひとつ、釈然としないですね。
秋元 そういう“フェロモン”を持った人間は、何をやってもカッコよく見えるんだ。例えば、小学生の頃、校庭に水飲み場があっただろう? 蛇口がいくつも並んでいるような……コップがないから、みんな、蛇口から出る水を両方の掌で掬って飲むんだよ。だけど、たまたま、“フェロモン”系の男子が、蛇口から流れる水に顔を近づけて、手を使わずに飲んだりする。本人は、狙っていないんだけど、その姿を見た女子たちは、「カッコいい」って騒ぐわけ。
――水飲み場の蛇口が上向きにできなかった時代ですね。だから、下に落ちる水を手で掬うだけでなくて、顔を近づけて、さらに蛇口から直接飲んだと? それなら、僕でもできそうですけど……。
秋元 無理だね。君とか俺は……。ただ、顔を近づけて、落ちる水を横から飲んでいる“横着な人”にしか見えない。
――なんか、不公平だなあ。
秋元 何十年か前、あるバーで、みんなで酒を飲みながら、“どうやって、女性を口説くか?”という話で盛り上がっている時、誰かがフミヤに聞いたの。「フミヤの場合は?」って……。
――そうしたら?
秋元 すごく困った感じで、「う〜ん」と悩みながら、「いいなと思った子を、何回か見つめるんですよ。そうすると、何回かに1回は目が合うじゃないですか、大抵はそれで……」って。その場にいた全員がコケたね。だって、普通、じっと見つめていたら、気持ち悪がられるでしょ? 言葉じゃなく、目で口説くなんて。フェロモン系にしかできない離れ業だよね。
――フミヤさんは、何の努力もしなくても、“モテる”運命にあったっていうことですか?
秋元 “モテる”人間は、先天的フェロモン型と、後天的な努力型があるんだよね。
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