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《大河ドラマ「光る君へ」で源明子役を熱演》「今日もうまくいかなかったの繰り返しで…」瀧内公美(34)がブレイク前夜に感じていた“社会へのいら立ちと反発”

瀧内公美インタビュー#1

14時間前

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, テレビ・ラジオ, 映画

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お芝居の仕事はしているけど…

――すぐに行動に移す、アクティブな方なんですね。

瀧内 まずやってみる、失敗したら仕方ない、というタイプです(笑)。そのときのエキストラ体験があまりに楽しかったんですよ。もしかしたら教育実習の反動だったのかもしれません。なんて自由で、生き生きとした世界なんだろうって。その帰りに書店で『デ☆ビュー』というオーディション雑誌を買い、パッと開いたページに出ていた事務所に応募したのがキャリアのはじまりです。

――それまでに演技の経験はあったんですか?

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瀧内 いえ、富山にいた高校生のころ、グラビア撮影の経験をしたことはありましたけど、演技をはじめたのはそのとき、21歳からです。

――映画への興味は?

瀧内 映画館に行って、映画を観るのは好きでした。作品を観ながら、俳優の仕事はカッコいいなと心のどこかで思っていた気はします。でもエキストラに応募したのは直観でした。

 

――演技をはじめて、すぐに自分に向いている仕事だと感じましたか?

瀧内 最初はエキストラばかりで、セリフもないですから、演技に向いているかなんてわかりません。演技のワークショップに行っても、講師の方によっておっしゃることが全然違うんです。君のよさはここだと言われたかと思えば、別の方には違う指摘をされて、むしろ自分がわからなくなる。課題も日によって異なるので、エチュードをやったり、紙にびっしり書かれたセリフを覚えたりと、ただがむしゃらでした。

――2012年にデビューしたあと、2014年の映画『グレイトフルデッド』で早くも初主演を果たします。これ以上ない、順調なキャリアのスタートですよね。

瀧内 その実感はまったくなかったです。オーディションの機会をいただけるとか、現場に立たせてもらえるとか、そういった意味では恵まれていたと思います。でもそのころはまだ古いやり方が許されていた時代ですから、現場で大きな罵声を浴びせられることもあって、なぜこんなに怒られるんだろうって試行錯誤の毎日でした。

 アルバイトで生計を立てながら、事務所からいただく仕事をして、また休みの日にアルバイト。そんな生活だったので、精神的に不安定だったというのもあります。お芝居の仕事はしているけど、自分の進みたい方向ではない。複雑な状況でしたね。

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