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「濡れ場の悔しさは濡れ場で晴らすしかない」瀧内公美(34)が自らの身体で証明したかった“新たな道”《大胆な女優で終わりたくない》

瀧内公美インタビュー#3

14時間前

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, テレビ・ラジオ, 映画

note

“大胆な女優”で終わりたくない

――社会派ドラマの『由宇子の天秤』は、当初考えていたとおり、瀧内さんの幅を広げる作品になりました。

瀧内 『火口のふたり』までだったら、自分のキャリアは“大胆な女優”で終わっていたと思います。実際、濡れ場を多く演じると「どうせ脱げるだろう?」って、その類の作品のオファーが集中しやすいことはあります。いまの#MeToo運動にも繋がることですけど、泣いて辞めていく子もたくさんいました。

 でも私は、そこを経たとしても、その先へ行けることを証明したかった。結局のところ、この世界は椅子取りゲームでもありますよね。生き残るということは、極端な言い方かもしれませんけど、屍の上を裸足で歩いていくようなものです。人の痛みに敏感でなければいけないし、同時にタフな精神力も持ち合わせなければいけない。私はそんな世界を選んでしまったので、選んだからにはこういうキャリアを歩めるんだと、自分の体をもって示したかったんです。

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――大河ドラマ『光る君へ』(2024年)など、最近はテレビドラマにも活動の幅を広げていますが、キャリアの進め方についてどれだけ自覚的に考えていますか?

瀧内 俳優はいただいて成立するお仕事なので、基本的に戦略が先に立ってはいけない気がするんです。こんな作品に出てみたい、こんな役柄を演じてみたい、ということを大切にしつつ、いちばん大事なのはやはりお芝居なんだろうなって。

 たしかにいまは配信作品や海外との合作が増えて、世界に幅を広げていける時代なのかもしれません。私も先日、日仏合作の映画『Ravens(原題)』に出演させていただいて、そういうキャリアを考えていきたい気持ちもあります。ただ私は単純な人間なので、お仕事があればそれでいい(笑)。そのために今後もお芝居を探求しつづけていきたいです。

――優れた俳優でいるために、もっとも必要なことはなんだと思いますか?

瀧内 現場に立ちつづけることです。野球選手と一緒で、打席に立たないと打つことすらできません。経験を積み、トライアンドエラーを重ねて、試行錯誤しながら自分に合うものを探していく。当たったときはたまたまです。そのたまたまが続いていって、確実なものになる。だから私も現場には立ちつづけていきたいと思います。

 

撮影 丸谷嘉長
スタイリング 後藤仁子
​ヘアメイク 佐藤寛

INFORMATION

瀧内公美が今秋挑む舞台は、無頼派作家・織田作之助の人気作「夫婦善哉」の主人公柳吉とお蝶をモチーフにした「夫婦パラダイス~街の灯はそこに~」。 夢かうつつか幻か…北村想の予測不能+大胆不敵な作劇が冴えるオリジナル戯曲で尾上松也と夫婦を演じます。チケットや詳細は、こちらからご覧ください。 https://www.siscompany.com/produce/lineup/meoto/

記事で使用した写真を約150枚以上掲載した電子書籍『デジタル原色美女図鑑 瀧内公美noble』が好評発売中です。妖艶な表情、パンツ姿のボーイッシュな出で立ち、川べりで飛び跳ねながら見せる弾ける笑顔…大河ドラマとは一味違った魅力をぜひお楽しみください。※発売中の週刊文春8月1日号(紙雑誌版)において価格を「税込み1100円」と表記しておりましたが、正しくは1200円です。お詫びして訂正いたします。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

デジタル原色美女図鑑 瀧内公美 noble

デジタル原色美女図鑑 瀧内公美 noble

瀧内 公美 ,丸谷 嘉長

文藝春秋

2024年7月25日 発売

「濡れ場の悔しさは濡れ場で晴らすしかない」瀧内公美(34)が自らの身体で証明したかった“新たな道”《大胆な女優で終わりたくない》

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