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要するにまばたきは、目に必要な涙を供給し、角膜の表面を自ら整えることができるセルフケアというわけです。

角膜が車のフロントガラスだとしたら、まぶたがワイパーで涙が洗浄液。まぶたをすることで、まぶたがワイパーのように目の表面をなぞって、涙を塗り広げてくれます。細かなごみもきれいに取り除き、適度なうるおいを与えて目の表面を整えてくれるため、「ものを見る力」も実際に高まります。

まばたきは実用視力を改善する

「え? ホント?」と驚いた方もいるでしょう。

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ほんとうです。まばたきで、「実用視力」を最大限に高めることができるのです。

視力には、「瞬間視力」と「実用視力」の2種類があります。

「瞬間視力」は私の造語です。眼科検診など「Cマーク」の切れ目を瞬間的に見分ける方法で計るのが瞬間視力。いわば、ものを見る能力の最大限の努力値です。

一方、より専門的な機械で60秒、継続的な検査で測るのが「実用視力」。瞬間視力よりも計測時間が長いため、その人が日常生活で感じている見え方により近い結果が得られます。

瞬間視力は、一時的になら簡単に上がります。

目を細めると、遠くが少し見えるはずです。それは「球面収差(きゅうめんしゅうさ)」、つまり視線の中心と周辺での光のばらつきが減るからで、目を細めて視野が狭まることで焦点が絞られ、見えやすくなる現象です。

しかし、それはその場しのぎでしかありませんし、いつも目を細めて生活するわけにもいかないでしょう。

重要なのは、「安定して、よりよく見る」ための視力、すなわち実用視力。まばたきは、その実用視力を守り、改善してくれるのです。

あなたのまばたきは間違っている?

ところで「まばたきなら簡単。すぐできる」と思っていませんか? 

「しょっちゅうまばたきをしているけど、目が乾く」という人もいるかもしれません。

実は、すべてのまばたきのうち5回に1回が、まぶたが閉じきっていなかったり、速すぎたりして“不完全なまばたき”に終わっていると推計されています。