――それから3年が経って、次のオリンピックもまさに始まろうとしています。小山田さんにとってあの炎上から辞任、殺害予告までの10日間っていうのはどういう記憶として残っていますか?
小山田 一言で言うのは難しいですね。試練でもあったし、それまで自分が向き合ってこなかったことに向き合わなければいけなくなった、ということでもあるし。それまで友人だった人間からも非難されたりして、人生の中で間違いなく精神的には一番辛い時期でした。ただ、ある意味でスッキリした部分もあるんですよ。
――どういうことでしょう?
小山田 94年と95年にインタビュー記事が出て、それからこの件はネットで何度も話題になっていて、仕事をしていたテレビ局にクレームが来たこともありました。でも、それにちゃんと向き合って応えることはしてこなかった。自分が避けてきたことと強制的に向き合って、家族とも話すことができた。そういう意味では、無駄ではなかったと思いたいです。
何が本当で、どこが誤解されているのか
――最後にあらためてですが、2つのインタビュー記事の元になった「学生時代のイジメ」「イジメについての発言」「インタビュー記事の表記」の中で、何が本当で、どこが誤解されているかを教えてもらえますか。
小山田 僕が小・中学校の時に、ロッカーに同級生を閉じ込めて蹴飛ばしたこと。同級生を段ボール箱に入れて黒板消しの粉を振りかけてしまった…という行為をしてしまったのは事実です。それは言い訳の余地がないし、本当に反省しています。ただ雑誌の見出しになった中学の修学旅行での「全裸でグルグル巻」「排泄物を食べさせる」などはしていません。それは断言できます。
――本の著者の中原さんも、その詳細を当時の同級生や記事を担当したライターにまで取材をして記事に書かれたことの検証をしています。
小山田 やはり僕が1人で説明しても難しいことだったと思うので、きっちり僕の悪かった部分を指摘する一方で、記事の中の真実ではない部分をちゃんと検証してくれるのはありがたいことだと思っています。