――殺害予告の日はどうやって備えていたんでしょう。
小山田 場所が自宅ということもあって、家族もいるので心配でした。ホテルなどに避難することも考えたんですが、昼頃からマネージャーと友人4人が家へ来てくれることになり、家族と一緒に15時を待ち受けることになりました。家の外には警察官も巡回してくれていました。
――「自分が襲われる時間」を待っているのはどういう気分だったのでしょう。
小山田 気分は落ち着かないんですが、人が来てくれたことで少しまぎれたような気はします。テレビではサッカーが流れていて、友人たちが冗談とかも言ってくれるんですが、やっぱり15時が近づくと緊張してきて……。
「たぶん僕も周りもまだ精神的に少しおかしくなっていたんでしょうね」
――殺害予告をされているわけですから当然だと思います。
小山田 いざ15時になって身構えていたのですが何も起きず、誰かが「殺害予告なんて滅多に経験しないよね」とぼそっと言い、少し空気が和みました。それで僕が「餃子作ったんだけど、みんなで食べない?」と提案したんです。
――餃子ですか……?
小山田 今考えるとおかしいんですがその日は、自分が襲撃されるかもしれないという不安な気持ちと、人が集まるから何か食べ物を用意しなきゃという気持ちが僕の中で共存していました。それで当日の朝に材料を買ってきて、昼前から家族で餃子を作っていたんです。
――ひき肉をこねて、皮に包んで。
小山田 そうです、本当に普通の餃子。お昼に餡を作っておいて、15時を過ぎてからみんなで包んで、焼いて食事をしました。振り返ると不思議なことをしているなとわかるんですけど、たぶん僕も周りもまだ精神的に少しおかしくなっていたんでしょうね。それでも、この日友人が集まってくれて、心配だった殺害予告の日を乗り越えて、前日には開会式も終わっていて、僕にとって炎上後にはじめて少し笑えた日だった気がします。