有村架純、31歳。今まさに、清純派から実力派へ飛躍する過渡期の真っただ中にいるように感じます。

有村架純

 毎話放送されるたびにSNSを大きく賑わせている放送中のドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)。

 突然娘がいることを知らされた主人公・夏(「Snow Man」目黒蓮さん)が、幼い我が子と向き合っていくという親子愛がテーマの月9作品。2022年に大ヒットした『silent』(フジテレビ系)の脚本家・生方美久氏の最新作として、放送前から注目を集めていました。

ADVERTISEMENT

 有村さんは夏の恋人・弥生役として出演中なのですが、実は過去の彼氏との交際中に妊娠、そして人工妊娠中絶をした経験があるというキャラクターを演じているのです。

衝撃の「子ども産んだことないでしょ?」

『海のはじまり』公式Xより

 有村さん演じる弥生の出演シーンで、特にネットが騒然としたのは第3話。夏の幼い娘の祖母(大竹しのぶさん)と対峙したシーンでした。

 夏と弥生、そして娘の3人でお出かけし、祖母の家に送り届けた際、祖母が「大丈夫でした?」と尋ねると、弥生は笑顔で「はい、楽しかったです」と即答。これが逆鱗に触れてしまいます。

 祖母は弥生に対して、唐突に真顔で「子ども産んだことないでしょ?」と問い詰めます。弥生は驚きのあまり、「ありません」と答えるのが精いっぱい。それから祖母は、懇々と子を産む大変さや育てる大変さを語りますが、弥生もひるみっぱなしではなく、「でも……本当に楽しかったです。ありがとうございました」と最後は微笑んでみせたのです。

 この場面、祖母と弥生のヒリヒリする衝突シーンとしてネットをザワつかせたのですが、メタ的に見ると、大竹しのぶという大女優と有村架純という中堅女優の演技合戦という側面も。そんなシーンにおいて、大竹さんに負けじと堂々と演じ切った有村さんには、役者としての貫禄が漂い始めていると感じました。

©文藝春秋

『海のはじまり』の有村さんの演技を見る限り、もはや清純派から脱皮して実力派の役者になる寸前というレベルではないでしょうか。

 しかし、もしかすると地上波ドラマでの有村さんしか知らない層からすると、いまだに清純派女優の印象が強く、いつのまにこんな“大人”な演技をするようになったのかと驚く人もいるかもしれません。