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 まずは坂口さん演じる大学生彼氏とのシーン。

 キャミソールにショーツの泉が、彼氏からキスされながら、キャミソールを捲し上げられてブラが見えるなど、大胆に下着姿を披露。その後、下半身はシーツで隠していますが、彼氏が体を上下させるなど、生々しい動きが描かれるのです。

 しかも、恋人同士ではあるものの泉は葉山のほうに未練があるのは明らかで、本命ではない男性に抱かれるという複雑なシチュエーション。そんなヒロインの心境を、有村さんは繊細な切ない表情で表現していました。

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©文藝春秋

「私、最後にもう一度だけ、先生の部屋に行きたい」

 そしてラスト、松本さん演じる教師・葉山とのシーン。

 妻とよりを戻すことを決め、高校も去ることになった葉山に対し、泉が「私、最後にもう一度だけ、先生の部屋に行きたい」と自ら誘います。

松本潤 ©文藝春秋

 葉山の自宅にて裸で抱き合う2人。濃厚なキスを交わしながら激しく絡み合います。横たわる泉に葉山が覆いかぶさって腰を動かすシーンや、泉が葉山の上に乗り吐息を漏らしながら身体を上下させるシーンなど、かなり艶めかしい濡れ場となっているのです。

 なにより、教師と元生徒という関係だけでなく、葉山は妻と復縁する選択をしているため、言い訳の余地のない完全なる不倫の関係が描かれたわけです。

『ひよっこ』で純朴なヒロインを演じ終えた直後に公開された映画で、高校教師との不倫愛の濃密なシーン。ギャップの大きさがとんでもないことになっていたのは、言うまでもないでしょう。

元風俗嬢にも挑戦、有村架純は誰もが認める実力派に

©文藝春秋

『ナラタージュ』のような濡れ場はないものの、有村さんは昨年主演したNetflix映画『ちひろさん』にて、元風俗嬢というキャラクターも演じています。

 風俗嬢を辞め、今は海辺の小さな街にある弁当屋で働く主人公・ちひろの物語。こちらでは赤いキャミソール姿のちひろが、風俗店個室で客を膝枕しているといった過去のシーンなどが描かれ、ちひろ役を軽やかに演じていました。

 出演中の『海のはじまり』では、中絶経験のあるヒロインという難役に挑戦していますが、決していきなり清純派から路線変更しようとしていたわけではないということ。役者・有村架純は以前からハードルの高い役をしっかり演じ、着実にキャリアを積み上げてきているのです。